コンサル業界をリードするBIG4!監査法人×総合コンサルの強みと他社比較
BIG4とは何か?その歴史と特徴
BIG4は、世界的に巨大な会計事務所グループとして知られる4つの監査法人を指し、具体的には「PwC(プライスウォーターハウスクーパース)」「EY(アーンスト・アンド・ヤング)」「KPMG」「デロイト トーマツ」の4社を指す総称です。もともとは監査業務や税務・法務支援を中心とした専門家集団ですが、現在では高度なコンサルティングサービスを提供するグローバル企業としても幅広く認知されています。
会計事務所がコンサル業界で存在感を示す理由
BIG4はいずれも、企業の財務情報や経営状況を詳細に把握する「監査」を主要業務として発展してきました。監査のプロセスでは、クライアント企業の内部統制や事業リスク、将来的な課題までも深く分析するため、その蓄積された知見を活用し、経営戦略や業務改革などのコンサルティング支援へと業務領域を広げていったのです。
また、BIG4は世界中に拠点を持つことから、複数国にまたがる企業やグローバル展開を目指す企業にとって頼りになるパートナーとしての価値を提供しています。幅広い業界における実績とグローバルネットワークを兼ね備えていることが、彼らの大きな強みです。
監査とコンサルティング業務の分離と再編
しかし、BIG4がコンサルティング事業を急拡大させる過程では、監査業務との兼務による利害相反が問題視されました。特に2000年代初頭のエンロン事件やワールドコム事件を契機に、監査法人とコンサルティング部門の癒着リスクが大きくクローズアップされることになります。アメリカで制定されたSOX法(サーベンス・オクスリー法)によって、監査先企業に対してコンサルティングサービスを提供することが規制され、BIG4のコンサル部門は一時的に分社化や売却を余儀なくされました。
この動きは大きな業界再編を引き起こし、当時アーサー・アンダーセンのコンサル部門だったアンダーセン・コンサルティングが独立して「アクセンチュア」となるなど、現在のコンサル業界にも影響を与えています。
コンサルティングファームとしての再スタート
規制が強化された一方で、企業側の経営課題はますます複雑化・グローバル化が進んでおり、コンサルティングに対する需要は高まっていきました。BIG4はこうしたニーズに応えるべく、監査業務と完全に分離した形で新たなコンサル部門を設立・買収する動きを再開。グループ内にコンサルティングファームを持ち、総合的な経営支援を行う体制を整えることで、再び大きな存在感を示すようになります。
現在では、財務・税務だけでなく、戦略策定からITシステム導入、業務プロセス改革まであらゆる分野に対応する「総合系コンサルティングファーム」としてのポジションを確立しています。
なぜ「BIG4」と呼ばれるのか
BIG4が「4大監査法人」の枠を超えて世界中の企業から信頼を集めている理由は、以下のポイントに集約されます。
- グローバルネットワーク
世界各国に拠点を持ち、ローカルルールや市場環境に精通した専門家と連携が可能。 - 豊富なナレッジベース
監査を通じて培った財務・会計の知見だけでなく、企業経営やIT、リスクマネジメントまで幅広いノウハウを保有。 - 規模を活かした総合サービス
監査・税務・法務・コンサルといった多岐にわたるプロフェッショナル領域をグループとしてワンストップで提供できる体制。
こうした背景から、監査法人としてのみならず、コンサルティングファームとしても「BIG4」は世界で重要なプレーヤーとなっているのです。
コンサル業界を志望する学生やビジネスパーソンにとっては、もはや「BIG4」として認識することが当たり前になっていますが、その歴史を振り返ると大きな再編と復活劇があったことを理解しておくと、彼らの存在感をより深く理解することができるでしょう。
BIG4が提供するコンサルティングサービス
BIG4は、もともと監査や税務といった「会計系」のサービスを強みとして発展してきた経緯があります。
しかし、近年はそれだけにとどまらず、経営戦略や業務・IT領域、M&Aや事業再生など、幅広いコンサルティングサービスを提供する「総合系ファーム」として地位を確立しています。ここでは、BIG4が手掛ける主な業務内容と、実際のコンサルタントとしての働き方について整理します。
1. 監査業務
BIG4の原点ともいえるのが、企業の財務諸表をチェックし、問題がないかを公正な立場で検証・保証する「監査業務」です。監査対象となるクライアントの業種・規模は多岐にわたり、世界的なネットワークと膨大な知識・ノウハウを活用して、高品質な監査を提供しています。
2. 業務・ITコンサルティング
企業のオペレーション改善やIT導入支援を行い、組織・業務プロセスを最適化する分野です。具体的には、以下のような領域をカバーします。
- 業務プロセス改革:現状分析やボトルネックを洗い出し、効果的な改善策を検討・実行
- システム導入支援:既存システムとの連携、ベンダー選定、導入後の運用体制構築
- デジタル化推進:AIやクラウドといった先端技術の活用を通じたデジタルトランスフォーメーション
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する中で、ITコンサルのニーズは高まり続けているため、BIG4においてもIT人材の確保とサービス強化が大きなテーマとなっています。
3. 戦略コンサルティング
経営層からの新規事業立案や既存ビジネスの成長戦略に対して、課題の可視化と解決策の提案を行います。具体的には以下のような支援を提供します。
- 経営方針・事業戦略の立案:市場分析や競合動向の調査を踏まえた中長期的な戦略策定
- 組織再編・M&A戦略:業界再編や事業拡大を目的としたM&Aやアライアンスの計画立案
- 新規事業の検討:イノベーションやデジタル技術を活用した新規サービス開発のサポート
BIG4が有するグローバルな視点と幅広い専門知識は、戦略構築の場面でも大きな武器となります。
4. ESGコンサルティング
近年注目を集めるESG(環境・社会・ガバナンス)に関する助言やレポーティング支援も、BIG4の主要なサービスの一つです。具体的には、環境負荷や社会貢献などの非財務情報を分析・評価し、持続可能な経営を実現するための提案を行います。
企業がESG情報を積極的に開示する流れを受け、ESGに精通したコンサルタントの需要は加速度的に高まっています。
5. 企業税務アドバイザリー
BIG4には多くの税理士や国際税務の専門家が在籍しており、国内外の税制に関する総合的なアドバイスが提供可能です。例えば、M&Aや企業再編時の税務リスクの検証、最適な税務戦略の立案など、グローバル経営下で必要となる幅広いサポートを行います。
6. 企業財務アドバイザリー
M&Aや企業再生、事業継承などに際し、財務デューデリジェンスや最適な資本構成の検討、再編プランの立案・実行支援を提供するのが財務アドバイザリーの領域です。監査業務を通じて培った財務・会計の知見と実務経験は、こうしたサービスにおいて大きな強みとなります。
コンサルタントとしての働き方はBIG4でも基本は同じ
「BIG4」と聞くと、とても特殊な働き方をしているイメージを持たれがちですが、プロジェクト単位で進めていくスタイルは他のコンサルティングファームとも基本的に変わりません。具体的な流れは以下のようなステップが一般的です。
- クライアントとのヒアリング・課題設定
- 経営課題やプロジェクトのゴールを明確化
- 業界・競合情報のリサーチと併せて、プロジェクトのスコープを確定
- 情報収集・分析
- 社内外のデータやヒアリング結果をもとに、問題の原因やビジネスチャンスを洗い出す
- チームで役割分担し、短期間で大量の情報を整理・分析
- 戦略・施策の立案
- 分析結果に基づいて解決策を具体化
- 経営層や担当部署とディスカッションを重ねながら提案内容をブラッシュアップ
- 実行支援・導入フォロー
- コンサルティングで終わらず、実際に施策を導入する際の進捗管理や運用定着の支援を行う
- 必要に応じて追加の提案や改善策を提案
プロジェクトごとに求められる専門性やノウハウが異なるため、ITや財務、業務改革など各領域のスペシャリストが協力して成果を出すのがコンサルティングの特徴です。BIG4の場合は、グローバル規模のネットワークと圧倒的なリソースを活かせる点が強みであり、複雑な課題にもワンストップで対応できるのが大きな魅力といえます。
他のコンサルティングファームと比べた場合も、プロジェクトベースで動くという働き方は大きく変わりません。ただし、BIG4は監査・税務などの「会計系サービス」に強みをもつ分、ファイナンス面での知見を求められるケースが多い点や、グローバル案件の多さが特徴として挙げられます。
BIG4各社の特徴と強み
BIG4各社はすべてグローバルネットワークを通じて、監査・税務からコンサルティングまで幅広いサービスを提供するグループに属しています。とはいえ、日本法人の歴史やカルチャー、コンサル部門の規模感などには各社独自の特徴があります。
ここでは、デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング、KPMGコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの4社をそれぞれ見ていきましょう。
デロイト トーマツ コンサルティング
概要
- 正式名称:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社(DTC)
- グループ本拠地:グローバルではロンドン発祥とされるデロイトのネットワークに属するが、現在の主要拠点はアメリカ・ニューヨーク
- 日本でのサービス開始:1993年
- 従業員数:日本国内で数千名規模(BIG4内でも最大クラス)
DTCは、日本における実績の長さとコンサルティング部門の大規模化が際立っている総合コンサルファームです。世界各地のデロイトメンバーファームと連携しつつ、日本国内のクライアント企業に幅広いサービスを提供しています。監査法人の有限責任監査法人トーマツや、税理士法人、ファイナンシャルアドバイザリー、リスクアドバイザリーなど、多数のグループ会社とのシナジーを強みに、戦略から実行支援までワンストップで対応できる点が特徴です。
企業カルチャー・働き方
- 日本色の強い社風:外資系でありながら、「人を育てる」文化や長期的なキャリア形成を重視する風土が評価されています。
- 充実した教育制度:各種研修やメンタリング制度など、人材を継続的に育成する仕組みを整備。
- 大規模プロジェクトへの参画チャンス:クライアントの業種・業態も多種多様で、幅広い経験が積めるのが魅力です。
PwCコンサルティング
概要
- 正式名称:PwCコンサルティング合同会社
- グループ本拠地:ロンドンに本部を持つプライスウォーターハウスクーパース(PwC)のメンバー企業
- 日本法人設立:1980年代にコンサルティング事業の基盤をスタート
- 従業員数:日本では4,000名超とされ、海外も含めると世界屈指の規模
PwCコンサルティングは、グローバルネットワークを活かした横断的なコンサルティングサービスが強みです。特にM&Aや事業再生に特化したディールズ部門と、戦略から実行支援までを手掛ける総合コンサル部門が大きな2本柱となっています。海外での案件比率が比較的高いといわれており、グローバル案件に関わりたい方にとっては魅力的な環境です。
歴史と経営統合の歩み
PwCコンサルティングは、2016年にコンサルティング部門・Strategy&(旧ブーズ・アンド・カンパニー)・PwC PRTMマネジメントコンサルタンツジャパンが経営統合する形で誕生しました。さらに2024年にCEOが交代となり、現在は安井正樹氏が率いています。大竹伸明氏は会長に就任しています。
こうした複数のコンサルティングファームの統合を経た背景から、戦略立案だけでなく、業務改革やIT・ファイナンス領域など、幅広い分野に対応できる総合系ファームとして確固たる地位を築いているのがPwCの特徴です。
企業カルチャー・働き方
- グローバル色が強い:海外のメンバーファームとの連携が密接で、多国籍なチームでプロジェクトを進める機会が多い。
- 幅広い専門領域:戦略コンサルだけでなく、IT、リスクマネジメント、ファイナンスなど多様な分野で活躍が可能。
- メンバーファーム制度:世界各地のPwC事務所が緩やかに連携し、必要に応じて専門家同士が連携しやすい仕組みが整備されている。
多岐にわたる調査レポートの公開
総合系コンサルであるPwCは、公式サイトで多様なテーマを取り上げた調査レポートを公開しています。たとえば、以下のような事例があります。
- 自動車産業シナリオ2050 ライフサイクル・カーボンニュートラル
- Strategy&がまとめたレポートで、温室効果ガスの実質ゼロを目指す動きに対応し、2050年を視野に入れた日本の自動車産業の戦略や課題を分析。約60ページのPDFが無料で公開されており、今後の産業動向を掴む上で興味深い内容となっています。
- PwCスポーツ産業調査
- 東京オリンピック開催などを背景に変革期を迎えているスポーツ産業の現状と展望をまとめたレポート。コンサルティング業界もスポーツビジネスへの関わりを深めており、PwCも例外ではありません。
こうしたレポートは業界の最新トレンドを把握するうえで有益であり、コンサルタント志望者や現職コンサルタントの「Day0」(プロジェクトやケースに着手する前のインプット期間)に活用できる情報が満載です。
デジタルメディア「Value Navigator」
PwCでは「Value Navigator」というデジタルメディアを運営し、著名人との対談やインタビューを通じて、多様な視点からビジネスや社会課題を掘り下げています。
- 深澤直人 氏 × PwCコンサルタント 対談
IDEO(デザインコンサルティングファーム)元日本支社長の深澤直人氏が、「デザイン思考は頭で考えるものではなく、全身で体感するものである」という主張を展開。一般的にロジカルシンキングと対比されがちなデザイン思考ですが、実際には感情や“ゆらぎ”などの情動を取り込み、新しいアイデアを生み出すアプローチとして重要性が高まっていることが語られています。
このように、感情や情動、ロジカルな要素を融合させることの大切さは、現代のコンサルティング業界の大きなテーマです。単純に論理を積み上げるだけでは顧客やユーザーのニーズを捉えきれないケースが増えているからこそ、デザイン思考の視点が求められています。
KPMGコンサルティング
概要
- 正式名称:KPMGコンサルティング株式会社
- グループ本拠地:オランダ・アムステルダムに拠点を置くKPMGインターナショナルのメンバーファーム
- 日本法人発足:2014年(比較的新しい日本法人として注目)
- 従業員数:1,000名超(BIG4内では少数精鋭の部類)
KPMGコンサルティングは、あずさ監査法人やKPMG税理士法人、KPMG FASなどとの連携によって、監査・税務・アドバイザリーを横断したサービスを提供しています。日本でのコンサル部門としては発足からの年数が浅く、他のBIG4と比べると規模はやや小さいものの、ベンチャー気質で個人の裁量が大きい点を魅力に感じるコンサルタントが多く在籍しています。
企業カルチャー・働き方
- ベンチャー色が強い:大手外資系の看板を持ちながらも、チーム編成やキャリア形成に柔軟性がある。
- スピーディーな成長機会:案件によっては少人数で進める場合も多く、個人の役割が大きいぶん成長スピードも速い。
- ビジネストランスフォーメーションに強み:デジタルやリスクマネジメント領域、業務改革などに注力している。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
概要
- 正式名称:EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)
- グループ本拠地:ロンドン発祥のアーンスト・アンド・ヤング(EY)のメンバーファーム
- 設立背景:2020年にトランザクションサービス部門とコンサルティング部門を統合して発足
- 従業員数:4,000名超(再編後も急成長中)
EYSCは、監査法人であるEY新日本有限責任監査法人や税理士法人などと連携しつつ、コンサル部門の拡大を続けています。近年の大規模な組織再編によって、戦略コンサルからトランザクション支援(M&A・事業再編)に至るまでの領域を一体化。若い会社として変化に柔軟であり、新しいサービス領域にも積極的に取り組んでいる点が注目されています。
企業カルチャー・働き方
- 若手が活躍しやすい環境:組織が新しく、成長過程にあるため、早期から裁量の大きな仕事を任される機会が多い。
- チームワーク重視:外資系ながら協力し合う風土が根付きやすく、風通しのよい雰囲気を評価する声が多い。
- 戦略~実行支援の幅広いサービス:M&Aやファイナンス面のアドバイスだけでなく、企業変革やデジタル活用などもカバー。
パーパスを軸にした戦略
EYでは、“パーパス(Purpose)”という言葉を大切にしており、企業の理念を明確化し、それを組織運営や戦略立案の中心に据えることを強く提唱しています。公式サイトでも「理念(Purpose)が業績向上を導きます」というフレーズで、組織を変革・成長させるうえでのパーパスの重要性を繰り返し説いているのが特徴です。
パーパスを実現する4つの方法
EYが提示する「パーパスを実現する4つの方法」では、コロナ禍以降の超不確実な環境下で、どのように企業の存在意義(Purpose)を具体的に行動に落とし込み、従業員や顧客に浸透させるのかが解説されています。特に以下の4つのステップに分けて取り組むことが大切だとしています。
- リーダー陣の認識を一致させる
- 経営トップやマネジメント層が、同じ方向を向いてパーパスを捉えることで、組織全体に一貫したメッセージを発信する。
- 従業員のエンゲージメントを高める
- 理念に共感し、日々の業務のなかで実践できる環境を整備することで、組織が一体となってパーパスを追求できるようにする。
- カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)に組み込む
- クライアントや顧客が、企業のパーパスを体感できるサービスや商品設計を行い、ブランドとしての価値をより深く理解してもらう。
- 戦略の中核にパーパスを据える
- 企業戦略を策定する際に、パーパスを軸として事業計画・施策をデザインし、方向性のブレを最小限に抑える。
とりわけ、「カスタマーエクスペリエンスに組み込む」点は、理念をただ掲げるだけでなく、“顧客との接点”でどれだけ実行できるかが鍵となります。ここがロジック一辺倒ではなく、感情や情熱を活用しながら価値を提供していくコンサルティングの本質を表しており、スタートアップや大企業を問わず多くの組織が苦労する部分でもあるでしょう。
パーパス×情動の重要性
EYの「パーパス」重視の姿勢は、PwCが指摘している“情動”の重要性と通じる部分があります。単に経営指標を積み上げて論理を詰めるだけでは、人や組織は動きにくいのも事実です。ビジネスの根底にある“心の部分”をどう扱い、行動に結びつけるかはコンサルティングファームとしての腕の見せ所でもあり、まさにパーパスを浸透させるうえでの大きな鍵となっています。
「言うは易し、行うは難し」
パーパスを掲げても、実際に組織や顧客体験にまで落とし込み、本当の意味で行動の指針とするのは容易ではありません。ただし、EYのように具体的な手法を提示し、事例を交えながら“どうすればパーパスを事業の中核に据えられるか”を示すことで、多くの企業が着実に成果を上げているのも事実です。
BIG4と混同されがちな主要コンサルファーム
BIG4と同様に知名度が高い大手コンサルティングファームの中には、監査法人グループに属しているわけではないにもかかわらず、「BIG4の仲間」と誤解されるケースがあります。ここでは代表的な3社を取り上げ、BIG4との違いを解説します。
アクセンチュア
監査法人から独立した総合コンサルティングファーム
アクセンチュアは、世界的な規模を誇るコンサルティングファームの一つとして知られています。その前身はアーサー・アンダーセンのコンサルティング部門(アンダーセン・コンサルティング)であり、2001年に同監査法人から完全に独立して「アクセンチュア」という新たなブランドで再スタートを切りました。
この背景から、かつては監査法人のグループ下にありましたが、現在はその影響はなく、BIG4には含まれません。
給与水準もBIG4に匹敵
総合コンサルティングファームとしてのアクセンチュアは、戦略立案からIT導入支援まで一気通貫のサービスを提供しており、給与水準もBIG4と同等、あるいはそれ以上ともいわれています。実際、口コミサイト「OpenWork」での平均年収報告も高水準を示しており、キャリアアップを目指すコンサルタントが多く集まる企業です。
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)
戦略コンサルの代表格
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)は、世界トップクラスの戦略コンサルティングファームとして名高い存在です。組織再編や新規事業立案といった最上流の経営課題にフォーカスし、クライアントの経営層に直接アプローチする形でコンサルティングを行います。
BIG4やアクセンチュアが「総合系コンサルティングファーム」と称されるのに対し、BCGは「戦略コンサルティングファーム」の色合いが強く、監査法人グループに属しているわけではありません。そのため、BIG4にカウントされることはありません。
ケーズ面接(Case Interview)の準備
BCGでは、採用プロセスで実施される「ケース面接」に力を入れています。同社の公式サイトでは、ケース面接の進め方や具体的な事例、面接を成功に導くためのアドバイスを公開しており、実際のプロジェクトに近い環境を体験できるように工夫されています。
このコンテンツでは、BCGの現役コンサルタントたちがどのように課題に向き合い、短時間で論点を整理し、ソリューションへ導いていくかが紹介されており、戦略コンサルのリアルな働き方を知るうえで有益です。
BCG流「戦略」:5つのアプローチ
BCGのオフィシャルリソースを読み進めると、「戦略にこそ『戦略』が必要だ」というコンテンツで、同社が提唱する5つの戦略アプローチが紹介されています。
- クラシカル型戦略
- アダプティブ型戦略
- ビジョナリー型戦略
- シェーピング型戦略
- リニューアル型戦略
業界や企業の状況によって有効な戦略アプローチは異なります。BCGは、これら5種類を示す「戦略パレット」を用いて、クライアントが置かれた環境やリソース、リスクを的確に見極めながら、最適な戦略を導き出しています。解説内容は深く、戦略立案の多様性を学ぶうえで非常に参考になります。
「展望」シリーズ:BCG流リーダーシップ論
さらにBCGには、長年発行され続けてきた「展望(Perspectives)」シリーズがあります。これは元々、同社のコンサルタントが知見を共有したりクライアントに提示したりする目的で作られた小冊子で、現在はウェブ上で公開されているものも多いです。
例えば、「リーダー就任:最初の100日間」というテーマでは、世界の企業トップやBCGのCEO経験者など計20名が、新たに組織のリーダーとなった際にどのように動くべきか、その心得を具体的に語っています。このシリーズを読むことで、BCGがどんな視点で経営やリーダーシップを捉えているのかをうかがい知ることができ、同社の文化や価値観を学ぶ機会にもなります。
報酬水準とキャリア
BCGは、戦略コンサルファームとしての高度な専門性と経営層向けのコンサルティングを提供するため、報酬水準も非常に高いことで知られています。若手のうちから大きなプロジェクトや経営課題に携われるため、スキルアップと高報酬の両立が期待できる環境といえるでしょう。
マッキンゼー・アンド・カンパニー
MBBの一角に数えられるグローバルファーム
マッキンゼー・アンド・カンパニーは、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)やベイン・アンド・カンパニーと並び、「MBB」と呼ばれる世界トップクラスの戦略コンサルティングファームの一つです。世界各国で政府機関や大企業の経営戦略立案に深く携わっており、グローバルな視野と徹底した問題解決能力が求められます。
戦略コンサルファームの代表例としてBIG4とは別枠
マッキンゼーは監査法人グループとは無関係の独立系戦略コンサルティングファームです。そのため、監査業務を行わず、会計や財務に特化したグループ会社もありません。BIG4と混同されることがあるのは、その知名度と規模の大きさから「世界の主要コンサル」として一括りに見られやすいことが理由と考えられます。
報酬水準はBCG同様、非常に高額な水準といわれており、早期から大きな裁量を与えられるのが特徴です。
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