コンサルティングファーム転職「話し方が整ってない」ケース面接スクリプト例
コンサルティングファーム転職「話し方が整ってない」ケース面接スクリプト例
はじめに
ケース面接での「話し方」について
ケース面接において「話し方」がどれだけ大事か?を実感していただきたく、コンサルティングファームへの転職時に実施されるケース面接の実際の面接官と候補者のやり取りをご紹介します。
ケース面接での外資系戦略ファームの鋭い面接官との生々しい対話を通し「自分ならどう話せるかな?」「この候補者の話し方どうかな?」と、噛みしめながら、お読みください。
残念ながら「見事に」1次面接で落ちました。どこが悪いのか?をご自身で考えながら読み進めてください。
【事例】ケース面接スクリプト
実際のケース面接のやりとり:ローランドベルガー
商社に入ったきっかけは?
新卒では、コンサルも見ていました。共通する軸としてプレッシャーのある環境で、成長したいということ。商社については、グローバルな環境で仕事をしたいということ。またこれは面接では言わなかったが、国の礎を築くことに貢献したいと言う思いも持っていました。
その中でも、化学品については希望された配属でしょうか?
元々は先ほど申し上げた国の礎を築くことに貢献したいという点からインフラ志望でしたが、化学品もやってみると切った張ったの商売ができるので、個人として成長できる良いビジネスだと思っています。
4 年間営業としてやられているんですね。中国には志望されて行ったのだと思うのですが、どういう経緯ですか?
元々はシンガポール配属予定であったが、中国に唯一の投資先があり、重要マーケットということで選択肢に上がりました。可能なら是非、と希望したところ配属されました。
最初の東京での 4 年間の経験(知識・知見)が、中国の仕事にどう活きたと思いますか?
最初の 4 年間では違う商品を商社という観点で扱っていたので、自分が出向した際にメーカーの方とは違う点を持って貢献が出来たと思います。はじめはお客さん扱いだったが色々新しい提案を出来たと思っています。
中国で身についたものは?
2 つあります。東京にいたときは、大企業の看板で仕事をしており、キャッシュフローなど意識することはなかったのですが、事業会社に出向して会社全体の動きがわかりました。
あともう 1 つは最初もお伝えしましたが、中国に来て、外様ということで、重要な仕事も任せられないし情報もあまり共有されないという環境で、如何に関係構築していくかというところです。社内でも対顧客と言う意味でも、苦労しましたが非常に学びがありました。
色々なところで活躍すると言うオプションがあると思うんですが、その中でコンサルティングファームを何故志望していますか?
そうですね、1 言でいうと、あるきっかけがあり、もう少し高い視座・幅広い視点から企業の役に立ちたいと思っています。そのきっかけについて説明させていただきます。少し長くなりますが、なるべく早口で説明しますね。
私が今所属している事業会社は、業績不振でお金を追加で出資しないと潰れると言う局面があり、営業部隊の代表の 1 人として分析業務に従事しました。その時に感じたことは2つありまして、1 つはその仕事が全く苦痛に感じなかったと言うこと。二週間毎日 18 時間ほど働いたのですが、その分析はわたしにとっては全く苦痛に感じず、何故かと考えてみたら、ある意味で会社の岐路、そこで自分がその一翼を担えているということにワクワクしていたのではないかなと。
もう1つは、本部長に呼び出されたときのことです。何かなと思って部屋に行ったら、「山田、ようやってくれたな。色々迷いもあったけど、おかげさまで進むべき道、やるべきことがわかり安心して前に進めるわ。」ととてもほっとした表情でおっしゃられたんです。その時に、今振り返ると当たり前の話かもしれないですが、マネジメ ント層が日々巨額の意思決定を迫られており、でも、すべて自分でじっくりと分析できるわけでもないと言う環境にいること、また、如何に日々マネジメントが悩んでいるかと言うことを実感し、それに対して貢献できたことが非常に嬉しかった。それが改めてコンサルティングワークに対して興味を持ったきっかけです。
コンサルタントして、もしくはコンサルタントになったときにどんなことをやっていたいですか?どんなことというのは短期的でも良いですし、どこかの業界でも結構です。
そうですね、例えば業界軸としてもし一つを選ばなければならないとしたら AI 業界です。最前線の中国にいますので、興味をもち勉強もしています。但し、AI 業界に絞りたいという意味ではなく、あくまでオプションとしてそういった業界に携わることが出来たら嬉しいという意味です。むしろ初めの数年はどんな業界のどんなタイプの案件にも挑戦し、ど んな案件に対しても価値を発揮できるコンサルタントになりたいです。その後で何らかの軸で専門領域を絞りたいと考えています。
それが 1 年後でも、8 年後でも良いのですが、特に何か、っていうのは今のところなさそうと言うことでよろしいですか?
具体的なゴールというですか? 面:産業軸でもなんでもいいのですが、どんな状態になっている、とかいうことです。そういう意味ですと、2-3 年後には、名指しで感謝され、例えばリピート案件の際の意思決定のところに自分の名前や功績が入っていると言う状態になっていたいと思います。
このケース面接での「話し方」のどこが悪かったのか?
チェックポイント:質問にきちんと答えているか?
いかがでしたか?「話し方が整ってない」スクリプトを読み、ぜひ、自己チェックをしてみましょう。
「あれ、おかしい!」「こうした方が良い!」と確信持てたら、大丈夫です。
ここで1つだけヒント
さて、この場面、候補者は、ちゃんと質問に答えてる?
商社に入ったきっかけは?
新卒では、コンサルも見ていました。共通する軸としてプレッシャーのある環境で、成長したいということ。商社については、グローバルな環境で仕事をしたいということ。またこれは面接では言わなかったが、国の礎を築くことに貢献したいと言う思いも持っていました。
他にも違和感を感じるポイントはありますが、まず、ここに気づいているといいと思います。
もう一度、このケース面接のスクリプトを読み直し「自分ならどう答えるか?」を考えてみてください。
「話し方」で重要なことをケース面接でも実践する
ケース面接に限ったことではないですが、まずは相手をイライラさせない「話し方」を習得してください。これは日ごろから意識することで身に付くスキルですので、ぜひ取り組んでみてください。
① 聞き手にとって一番重要な情報は何か?を考える
ご紹介したケース面接のスクリプトで面接官は「商社に入ったきっかけ」を聞いています。候補者は、この質問にきちんと答えているでしょうか?
きちんと答えているかどうか?をチェックするために、候補者の答えだけを見て、何を聞かれたのか?を考えてみるといいと思います。
新卒では、コンサルも見ていました。共通する軸としてプレッシャーのある環境で、成長したいということ。商社については、グローバルな環境で仕事をしたいということ。またこれは面接では言わなかったが、国の礎を築くことに貢献したいと言う思いも持っていました。
この答えだけを見て、「商社に入ったきっかけは?」と聞かれたと想像できますか?
これでは、聞き手にとって一番重要な情報を理解できていないと判断されてしまいます。
② キーメッセージ(=結論)から話す
質問されたときに、まず結論から話すことも重要です。
例えば、友人と会食するときに、日程調整をする場面を思い浮かべてみてください。
あなたは「来週空いてる日ある?」と聞かれて、どのように答えますか?
この時、木曜日の19時から空いているとしましょう。
木曜日の19時以降なら空いているよ
と、結論から答えていれば正解。
この時、
今、めちゃくちゃハードなプロジェクト抱えていて、毎日帰りが遅いんだよね。週の前半はミーティングが入りがちで、週末くらいは家族サービスもしないといけないけど、木曜日の19時以降なら空いているよ。
これは、結論から答えているとは言えません。
めちゃくちゃハードなプロジェクト抱えていて、毎日帰りが遅い
これは、「来週空いている日ある?」に結論から答えていますか?
まずは、空いている日を答えてから、その理由としてこのフレーズが続くならいいですが、これでは「結論から話す」ことにはなりません。
友人同士のこのような身近な会話から、ケース面接や、ビジネスでの話し方が整っていくはずですので、少しずつ意識してみてください。
さいごに
ケース面接の前のやりとりから、既に選考はスタートしています。
このやりとりを見て、もし、ご自身が面接官の立場だったら、この候補者と一緒に働いてみたい!と思いましたか?
ケース面接の前の自己紹介などのアイスブレイクでは「一緒に働きたい」と思ってもらえるか?も大事です。
参考動画:話し方を「3分」解説。全ビジネスパーソン向けの海外動画解説
話し方について解説した動画がありますので、併せてご覧ください。
戦略コンサルタントに転職しようかな?と思ったら
いかがでしたか?さいごに、戦略コンサルタントに転職をお考えの方にお役に立てる情報をまとめておきます。
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- 「ケース面接対策」という意味で、この本を読んだ本が良いかどうか?
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