戦略コンサルタントとは?コンサルQ&A-理解度40%
戦略コンサルタントとは?コンサルQ&A-理解度40%
戦略コンサルタントへの道99
はじめに
コンサルタントへの転職を目指し、転職準備のために考えるエンジン講座をご受講いただいた受講生の方々が “まさに、むじゃきに” なげつけてくれた多くの質問。その中から厳選した99個をピックアップして、お答え致しました。
「戦略コンサルタントへの道99」とは
おかげさまで「考えるエンジン講座」を開講してから年間で250名以上の方に受講頂き、母校であるBCGをはじめ、マッキンゼー、ATカーニーなどトップファームへ生徒を送り出すことができるまでになりました。その中で、過去の受講生の方々が “まさに、むじゃきに” なげつけてくれた質問を、ランダムにピックして、お答え致しました。
99まで無事に辿り着いたとき、「戦略コンサルタントとは何か?」が理解できることでしょう。
但し、全て、私の「独断と偏見」で語りますので、「そうじゃないと思う!」と思われる方もいるかと思いますが、その辺はご容赦ください。
弟はマッキンゼー、イトコが経営共創基盤、大親友はカートサーモン、生徒は殆ど全てのファームにいますので、外れてはないと思っています。
コンサル用語/BCG用語
皆さんに、より、コンサルの“リアル”を感じて頂くために、コトバもコンサルが使っているコトバを使っておりますので、都度、補記しておりますが、代表的な用語を記載させて頂きます。
コンサルティングファームの略。
プロジェクトのことを指す。ITでいうプロジェクトリーダをケースリーダと呼ぶ。
提案書、討議資料など、パワーポイントの資料のことを呼ぶ。決して、オラクル・サップの“パッケージ”ではないことにご注意を。
コンサル界の頂点の“役職”。(厳密には少し間の呼び名)
BCGでは、アソシエイト⇒コンサルタント⇒プロジェクトリーダー⇒プリンシパル⇒パートナー
広義には“コンサルタント”
狭義にはBCGの役職の意味での“コンサルタント”
パワーポイント1枚を指す。なので、パワーポイントを書くことを「スライドライティング」と呼ぶことも
それでは、みなさまお楽しみください!
戦略コンサルタントとは 元BCGコンサルが答えるQ&A【理解度40%】
今回はQ.30~Q.39までの質問にお答えしました。これを読めば「コンサル理解度40%」レベルに到達。
Q30. コンサルタントに必須の力を1つだけ上げるとしたら、何ですか?
「考える力」というの答えが許されるなら、これ。それでは広すぎるのであれば、こちら
論点設定が上手にできる
だと思います。どんな素晴らしい分析力も、プレゼンテーションも、この力無くしては成立しません。
但し、ケース面接を突破する!という意味では、「論点設定ができる」必要はなく、「論点とは何か?」を知り、「論点設定をブサイクでも一応できる」レベルで十分です。
「考えるエンジン講座」でも、「論点」を含めた「3+1のセカイ」を理解頂き、その世界で「暴れられる」ように伝授しております。
Q31.コンサル業界で働いた場合の生活パターン(1週間)を知りたい。
オーソドックスな「コンサルタントの1週間」を描いていきたいと思います。
木曜日
3時間後に控えるクライアントミーティングに向けて、最後の最後まで、資料(=パッケージと呼ぶ)をいじくりまくっている。印刷時間も計算し、ギリギリまで資料を修正し、印刷を高速でやり、出発する!というのが恒例行事になっている。
クライアントミーティングは通常、1週間に1度。そのクライアントミーティングに向けて動くので、基本、コンサルタントの頭は一週間単位。通常の事業会社のクライアントミーティングと最も違うのが、「報告」「発表」「確認」ではなく、「討論」「ディスカッション」の比重が95%であることだ。違う言い方をすれば、それにクライアントは「高いお金」を支払っているともいえる。BCGの現日本代表の杉田さんからこんなことを言われた事があります。
“ちゃんちゃん”と終わったミーティングこそ、危ない
と。まさに、予定調和ではなく、クライアントを時には「怒らせる」ことも。
終わったと思ったら、次!となるのが、コンサルの常。次のクライアントミーティングに向けて、「論点」や「メッセージの方向性」などの議論を、プロジェクトリーダーと個別で行う。この30分が非常に大切なのだが、忘れてはいけないことがある。だいたい、「寝不足」であること。だから、ここを頑張れるか?で心地よい1週間になるか?が決まる。この1時間を明日に回して、イイコトは絶対にない。
ここから、どれくらい「今日」頑張れるか?が重要な時間となる。今日のクライアントミーティングの「議事メモ」を書くのもよし、次回に向けたストーリーラインを書くのもよし。の時間。次の、プロジェクトリーダー、パートナーと議論するのは「火曜日」。なので、ここからは「火曜日に向かって動き出す」のだ。赤坂見附の足裏マッサージ屋「鳥来」にいってからでもよし、とにかく、ここで、もうひと踏ん張りできるか?が非常に大事。
金曜日
次回の資料の「ストーリーライン」を書くという楽しいお時間。昨日のプロジェクトリーダーとの個別ミーティングで議論した「論点設定」に添って、「仮説」をつくり、納得できるお話しをつくる。私の場合は「ワード」で3枚ほど、論点やその仮説などをヒタスラ、文字に落とすってもんさ。
作業とはなにか?
代表的なのは
事例調査:インターネット、本などを活用し、論点・メッセージに合う事例を探す
分析:基本、EXCELシートにて顧客データなどを分析する
インタビュー:お客さん、消費者にヒアリング・議論をする
などを行う時間である。 ちなみに
金曜日のこの時間は「安息」。ハナキンと呼ばれているからでも、合コンがあるからでもない。
「土日働けば、いいから」という安息、バッファがあるから、休めるのだ。
この時に、連絡が来たら、相手をしてあげてほしい。
土曜日
金曜日からの睡眠は“人並み”に取れる。たまに、この時間に「朝、早く起きて、ジムに行きます!」的なヒトは私は嫌いだ。あ、これ、個人的な話です。
不思議と思うかもしれないが、8年近くの経験から言えば、「土曜日にいかに仕事をできるか?」で、週末の安息度が上がるのだ。「しなきゃ、しなきゃ」と中途半端に遊ぶより、「やってしまい」そのあと、がっつり遊ぶほうが100倍いいのだ。なので、土曜日の12時-18時くらいに「殆ど、誰もいない」オフィスで仕事をしちゃうのが1週間を心地よく過ごすポイント。ともいえる。
この時間は、オアシス。なにせ、「休みのはずの、土曜日に働いた」という、“一歩リード感”があるので、宿便した腸的にスッキリ遊べる
日曜日
THANKS 松下幸之助。休日は「休養と教養」。日曜日の使い方に一流かどうか?が分かれると思う。
コンサルタントも一緒で、“追われている仕事”がないから、遊ぶ。
では、一流にはなれないと思う。じゃ、何をするのか?
過去ケースのパッケージ(資料)を“趣味”で読む
コンサルファームには「ナレッジチーム」というものがあり、世界中の各拠点のケース内容を共有する仕組みを持っている。そのチームがまとめてくれた(もちろん、クライアント名は消されている)のを、読み込むのがお勧めだ。
これが結構、大事。”追われていない” 時こそ、いい仕事ができるもんさ。ってことで、土曜の続きでもいいのだが、”気楽に” やるのがいいのだ。
月曜日
「火曜日」のパートナー/プロジェクトリーダーとのミーティングに備えて、準備を加速化する。
ストーリーライン ⇒ “作業” を超えて、最終フェーズ。パワーポイントに落とし込む時間のはじまりはじまり。
火曜日
資料を纏め、いざ、ミーティングへ。
・・・以上です。こんな感じで今週は行こうかと。
面白い。今のに加えて、作ってほしいスライドがあって・・
こんなナイスなミーティングは10回に3度。いや、それは嘘か、1回かな。。。
・・・以上です。こんな感じで今週は行こうかと。
なにこれ?なんで、こんなことしてんの?
・・・・・
ほんと、ちょっと、ホワイトボードに今から言うこと書いてもらえる?
はい・・
ここから、「シーン」とした空気が30分+「作られた“明るい」空気30分。これの「ゼロ」になっちゃう感じを(パートナーに)ひっくり返される と言います。
水曜日
会議室を朝から1日押さえて、その会議室にパートナー以外が集まり、ヒタスラ、資料を作り込む1日。お気づきかと思うが、前日のミーティングが「バッドな資料だった場合」だった場合、全メンバー、徹夜ぎみです。お気づきかと思うが、前日のミーティングが「ナイスな資料だった場合」だった場合、すぐに終わります。
次の木曜日
あれから、1週間で資料30枚が作られ、これからクライアントミーティングに。
50枚といっても、「50枚作って、30枚」ではなく、「200枚つくって、30枚」でもきかないくらいつくり、選りすぐりの30枚。
いかがでしたでしょうか?これが、コンサルタントの1週間です。
Q32. 昇進のスピードは?
まず、役職は5つあります。ファームによって呼び名は少し違いますが、骨格は同じ。今は少し変わっているかもですが、私の慣れ親しんだ呼び名でいえば、
- パートナー
- プリンシパル
- プロジェクトリーダー
- コンサルタント
- アソシエイト
プロジェクトリーダーから「管理職」の位置づけで、ミッションとして“ケースをリードする”ことから、ケースリーダとも呼ばれます。その上で、昇進のスピードですが、1昇進=2年-3年半。最速でいけば、アソシエイトからパートナーで10年となります。
そういえば、昨年、2005年4月の同じタイミングに入社した友が、パートナーに。10年。但し、彼は前職もコンサル4年やっていたので、彼にしても早くはない!と言いそうですが、それでも素晴らしいですね。
Q33. 個人的なことで恐縮ですが、BCGを辞めた理由は?
まず、2回辞めています。それぞれの理由を漢字4文字で表すと
1回目:世界一周 又は 評価不服
2回目:起業万歳 又は 才能限界
Q34. コンサルタントになる前の自分に声をかけるとしたら、何と声かけますか?
髪型を変えて、入ったほうがいいよ。ソフトモヒカンはやめましょう
ほんと、ほんと。誰か、教えてくれればいいのに。もし、「普通の髪型」で入社していたら、「考えるエンジン講座」は生まれなかっただろう。今も、BCGで戦っているだろう。
Q35. マーケティング案件で「広告代理店」とコンペになったとき、どう対処しますか?
まだまだ、戦略コンサルは「市民権」は得てないなと思わせる質問ですね。
マーケティングであれ、なんであれ、「戦略」であれば、誰にも負けません。
マーケティングであれ、なんであれ、「戦略以外」は、誰にでも負けます。
それが、戦略コンサルの矜持なり。
Q36. 戦略コンサルにおけるデータ分析の実務内容(取り扱うデータの種類、解析ツール等)は何ですか?
データ内容は、顧客データ、営業データ、などの業務系データか、アンケートデータが主。思い出したのが、数字に途轍もなく「愛されていて」、途轍もなく「強い」後輩と、一緒にプロジェクトをやったときに・・
俺、数字に強くないんだよね。
いや、強くないんじゃなくて、“興味がない”だけですよね?
・・・・・・
分析結果とか、そういうの、もう少し見て欲しいですね
信頼しているから(と、逃げた)
のを思い出しました。
Q37. 転職前のキャリアが活かされたことは何ですか?
私の場合、前職はNTTデータですので、本来であれば、「システム全般の知見」と言えたはず。。。言えたはずですが、ちょっと、私の場合は、JAVA研修も初日で挫折したくらいですから、「活かされた」とは言い難い。
しかし、ネットワーク=「〇〇を知っている人を知っている」×「お願いしたら、助けてくれる」は、本当に助けられました。
前職だけでなく、いわゆる「友達、先輩」にもイロイロ助けられました。
Q38. 面接官のみならず「他人を惹きつけるもの」とは何だと思いますか?
この質問をしてくれるということは、さては、おぬし、私に惹きつけられたな
と。シメシメ。
自分的には、「講師」をしているわけですから、この「他人を惹きつける」ということは大事。なので、その「裏」の仕掛けは、引退するときまで内緒にします。
Q39. ケース面接の存在意義は?
ウン万もある仕事の中のたった一つであるコンサルタント。中に入ると、「ここで評価されるのが全て」「評価されないと俺はバカ!」となってしまうからこそ、「最低限のポテンシャル」を持つ人だけに入って頂くため。
元日本代表の御立さんのお言葉
コンサルなんて、コンサルティングでしかトップに立てない人がやればいい
と、なんでもできちゃう御立さんがおしゃるから憎い。気付いたら、楽天の社外取締役になられた、御立さん、どこかの社長にならないかな?御立さんなら、「コンサルは社長として成功しない」神話をぶっ壊してくれそうだから。