コンサル面接で落ちる人に足りない“キャリアの語り方”とは?

コンサル面接の「キャリアの語り方」でつまずいていませんか?
本記事では、落ちる人に共通する話し方のパターンと、通過する人が実践している対策の違いを構造的に解説します。
コンサル面接の基本的な流れとポイント
書類選考通過後のプロセスと質問準備
コンサル面接は通常、複数ラウンド構成(L1:パーソナル、L2:ケース面接、最終:チーム適性など)です。特にL1では、経歴やキャリア選択について深く切り込まれます。徹底した準備が必要です。
自己紹介で伝えるべき構造と意図
序盤の自己紹介は、面接官に「理解したい・知りたい」と思わせるための最初の勝負ポイントです。
以下の構成を意識して構築しましょう:
- 結論:「私は○○出身で」「現在は××業界で…」
- 補足:具体的な数字・背景ストーリー
- 未来志向:コンサルでどう活かしたいか
例

私は新規事業企画を通じて、3年間で売上+40%を達成しました。
そこで仮説思考とチーム連携の面白さに気づき、より多様な業界でその力を磨きたくて、コンサル業界で活躍したいと考えています。
面接官が注目している質問意図とは
面接官は、「思考プロセス」と「意思決定の背景」に強く関心を持っています。
WHAT(何をしたか)→WHY(なぜそうしたか)→HOW(どう実行したか)→RESULT(結果どうなったか)の一貫性が、評価のカギを握ります。
コンサル面接におけるキャリア質問の意図を読み解く
キャリアの整合性が評価される理由
PMI(過去 → 現在 → 未来)が自然に繋がっているかを確認されます。「なぜこのキャリアを歩んできたか」を一貫性あるストーリーで語れるかが重要です。
経験をどう活かすかという質問にどう答えるか
面接官は「この人はうちに入って活躍できるか?」を常に見ています。自身の経験と応募先での挑戦を、論理的に接続できる準備が必要です。
論理性と意図の一貫性をどう担保するか
- 例えば「なぜ営業からマーケティングに」→「マーケで培った顧客理解を戦略策定に」…と因果関係を明示する必要があります
- 「論点思考」の手法で、構造的に話が矛盾しないよう整理するのが効果的です。
転職理由を聞かれたときの答え方【コンサル面接 質問対策】
ネガティブな転職理由はどう伝える?
例えあなたが人間関係や上司との折り合いが悪くて転職を考えたとしても、ネガティブな印象を与えないようにしましょう。
物は言いようです。ネガティブな原因だったとしても「未来志向」「学び」に振り直す言い換えが重要です。
例
- 悪例:「上司と合わなかったからです」
- 好例:「より高い視点で意思決定を経験したくて、コンサルという環境を選びました」
業界動向と自己の関心をどう結びつけるか
業界の課題 × 自分の関心・能力が合致していることを言語化します。
例

御社はDX領域の人材育成にも注力しており、私の○○で培った経験が活かせると感じています
この時に気を付けるべきは、「それって他のファームでも言えることですよね?」と突っ込まれない内容にすること。
「なぜ、数あるファームの中からうちのファームを選んでくれたのか?」に納得してもらえる答えを準備することが重要です。
転職理由と志望動機のつながりを意識する
志望動機として語る際に、「自分がやりたいことと会社の特徴」が共鳴するポイントを必ずセットに。前項でもお伝えしましたが、自身のキャリアと結び付けて、『ここのファームだからこそ自分の能力が活かせる』という内容を準備しましょう。
但し、事業会社からの転職(=コンサル業界未経験)に場合はこの限りではありません。
コンサル志望動機の構造的な書き方はこちら
志望動機について、コンサル未経験者/経験者で気をつけるべきポイントをより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

キャリアの語り方が、コンサル転職の成否を分ける?
転職のルートごとに異なる「キャリアの語り方」の工夫があります。
本記事の視点をさらに深めるために、こちらの記事もご一読ください。

30代が評価されるために欠かせない「キャリアの語り方」
特に30代の方は、「なぜ今このキャリアか」が問われやすいです。面接で評価される語り方・落ちる語り方を整理した記事もご用意しています。

コンサル面接での成功・失敗体験の答え方
成功体験で問われる再現性と汎用性
成功エピソードでは、どのように再現できるか、他の事象にも使えるノウハウがあるかが評価につながります。
例えばあなたが、ITマーケ担当だったなら、以下の構成でまとめましょう
例
- 課題認識:売上が伸び悩んでいた
- アクション:A/Bテストで施策を試行
- 成果:クリック率20%向上
- 再現性・汎用性:同手法を他にも展開
この構造を使えば、ただの“肩書き紹介”で終わらず、構造で示せます。
失敗体験で問われる改善力と学習力
失敗体験を話すときも構造化が重要です。
例
- 背景と目標:新規業務にチャレンジした
- 何が起きたか:思った成果が出なかった
- 原因分析:仮説が弱かった / PDCAが不十分だった
- 改善アクション:次回は早期仮説設定と小規模検証
- 結果・学び:成功率と効率性が向上
失敗を正直に話すことで、成長姿勢が伝わり信頼につながります。
ストーリーテリングで印象に残る話し方
数字×人物×感情が揃うと、記憶に残る面接になります。
例えば、まず構造として
- 数字:「3ヶ月で顧客満足度を15ポイント改善」
- 人物:「中小企業の経営者が…」
- 感情:「“どうすれば売上が…”という悩みを共有した」
これを口語で表現すると

中小企業の経営者とともに悩み、3ヶ月で顧客満足度を15ポイント改善しました
こうしたリアリティのある表現が、面接官の記憶に残るエピソードになります。
コンサル面接の質問でよく出る「チームでの役割」
自分の立ち位置と成果をセットで伝える
「あなたはチームの中でどういうポジションでしたか?」という質問には、
- リーダー/サブリーダー
- ファシリテーター
- 実行者
など、自分の役割と責任範囲、成果をセットで明示することで信頼が増します。
チームでの働き方や価値観を示すには
コンサルタントはプロジェクトを「チーム」で進めていくことが多いです。
ので、
「私は常に…
- 積極的に意見を出し
- ゴールまでファシリテーションし
- 難局では質問をしながら調整」
という具体的行動を織り込むと良いでしょう。
自分がどう貢献したか、どんな振る舞いで信頼を得たかを具体的に表現できると、チームでの役割や姿勢が正しく評価されます。
リーダー経験がない場合の切り返し方
担当として貢献したケースやファシリの立場を語るときには、リーダーシップ=結果への責任という視点で説明するのがポイントです。
例

私は提案の精度まで責任を持ち、○○%の売上UPを実現しました
このようにリーダーシップ=結果への責任が伝わりやすく、イメージしやすい内容で答えましょう。ファシリや担当レベルでも、結果への責任視点で語れば十分です。
論理的思考力を問われたときの回答術
仮説思考で思考プロセスを明示する
コンサル面接では、“思考プロセス”を見ています。思考プロセス、問題解決プロセスについては、著書『「答えのないゲーム」を楽しむ思考技術』で詳しく語っていますので、詳しくはそちらを読んでいただくといいと思いますが
「仮説は○:その理由は▲」「次は検証手段として●」と筋道立てて言うことで、思考の質と方向性が伝わります。仮説→根拠→検証手段を明示することで、プロセスが可視化されます。
ロジックツリーで話を整理する力
口頭で話す際にも、「大枠 → 中枠 → 詳細」の三段論法スタイルで話せると、
- 混乱なく
- 短時間に
- 面接官に伝わる思考スピード
が際立ちます。考えるエンジン講座の基本フレームを繰り返し体験すると、自然とできるようになります。
複雑な事象をシンプルに語る技術
「複雑な問題をどうわかりやすく伝えるか」はコンサルの本質の一つですので、面接でのポイントは、以下の3つです。
- 結論ファースト:結論→要素分解→結論までの流れ
- 具体例で補強:一人の人物のケースで検証
- 要点は3点以内を徹底
これも、考えるエンジン講座で多くロールプレイされる講義内容の一部です。
ケース面接との違いと準備の仕方
キャリア質問は「抽象⇔具体」の行き来がカギ
エピソードを「数字+背景+学び」で話すように、キャリアについての質問もケースと同じ感覚で 抽象(構造)と具体(実体験)を行き来しながら語りましょう。
数字・背景・学びを軸に、構造的な語りが求められます。
全体的なステップは、こんな感じでイメージしてください。
キャリア質問に限らずいつでも、このプロセスを飛ばすことはありえないし、してはなりません。
スタートは「論点」を立てることから。
「答えのあるゲーム」は、目の前のファクトそのままで答えが出ますが、 今回のような「答えのないゲーム」は、そのままのファクトだけでは答えは出ません。自身の背景から示唆を抽出します。
示唆を考えるときは、その目の前にあるファクトだけだと、深く考えにくい場合があるので、類似例を考えてみて、比較してみるのが必要となる場合が多いです。
意識するファクトと辻褄が合っていることは大事ですが、 そのほかの意識しないファクトと辻褄を合わせることは気にせず、仮説を作り出すことを優先することも大事です。
ステップ3で出した仮説に対して、ステップ4で検証し、違和感、辻褄が合わない点が見つかれば、再度、ステップ3に戻って、 新たな仮説を作り出します。
全体的なステップは、ザックリの説明にとどめましたが、よりこの思考に興味があれば、著書の中でわかりやすく語っています。
「答えのないゲーム」を楽しむ思考技術
限られた情報からどのようなプロセスでいい示唆や仮説を導き出すか?本書ですべて解説します。「思考って、技術=スキル、後天的に身に着けられるんだ!」って、確信できるはず。この1冊で「考えること」が楽しくなる!
ケース中に経歴と矛盾しないよう注意する
経歴で「業務改善の裁量があった」と言っているのに、 ケース面接中に「裁量なし」と言うような矛盾には注意が必要です。
考えるエンジン講座では対話型模擬面接でこの整合性チェックを行います。
前項でもお伝えした通り、過去の発言と矛盾する内容はNG。模擬面接で整合性をチェックしましょう。
面接での印象・態度も評価対象に
非言語情報(視線・話し方・うなずき)
面接では言葉以外の印象も評価対象です。
- アイコンタクト:話の区切りで面接官を見て、共感や理解の意思表示
- うなずき:質問を受けたタイミングや説明時に軽くうなずくと、誠実さが伝わります
- 話すスピードと声のトーン:ゆっくり明瞭に、重要ポイントはやや強めに話す
これらは全て、「論点思考」に基づくプレゼン訓練で自然に身についてきます。
アイコンタクト・声のトーン・タイミングあるうなずきは信頼感に直結します。
話し方については「コンサルの話し方の基本」を知っておくといいと思いますので、面接官に伝わる「話し方の型」や、緊張しないための話し方テクニックについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

緊張を乗り越えるための「軸」
事前準備では、以下3軸を明文化しましょう
- 自分のミッション感(将来こうしたい)
- 転職・志望のコア理由
- 成功・失敗から得た示唆
この3軸を軸にすれば、緊張時も迷わず答えやすくなります。
自身のミッション感/志望動機/学びの3軸があれば、ぶれません。
どうしても緊張してしまう。。。といいう方はこちらの記事をお勧めします。

よくあるNG回答と改善ポイント
抽象的すぎる表現がなぜ危険か
「営業が好きです」「チームが大切です」では印象に残りません。
必ず何をどうしたか+成果までセットで伝えましょう。
「なんとなく」転職はマイナス印象に
「成長したい」「環境を変えたい」だけでは弱いです。
→ 業界トレンドや御社×自分経験の接点をエビデンスとして語ると説得力アップです。
自信過剰に聞こえるときのトーン調整
実績は重要ですが、謙虚さや協調性も同時に示すのがポイント。
→ 「チームで」の視点を入れつつ、自身の貢献に言及しましょう。
考えるエンジン講座で準備できること
論点思考を鍛える構造化演習
考えるエンジン講座では「論点思考」を反復的に学び、どういった問い(論点、サブ論点)に対して答えを出すかを設定することこそ、考えるべきであるということをマンツーマンで学べます。
論点・サブ論点を見抜く力を実践で鍛えます。
「論点思考って何?」「どうやってトレーニングすればいいの?」という方は、講座の全体像をこちらでご確認いただけます。

受講者の声に見る効果
「たくさんマンツーマンで指導頂いた結果、ケース面接の通過率は7割程で高かった」「面接の当日直前ですら、電話で気合いを入れてもらった」「自分が出来ていない/駄目な点に関してストレートな指摘を受ける」「本には書いていないコンサルの実情を知ることができる」など、多くの声をお寄せいただいています。

まとめと次のアクション
本記事のポイントまとめ
- コンサル面接では、「整合性」「思考構造」「伝え方」がカギ
- 非言語の印象やストーリーテリングも評価対象
- 準備と鍛錬が、結果を左右します
面接前に「落ちこぼれ」回避のポイントを知る
入社後にコンサルで落ちこぼれないためには、価値を出し続ける“働き方”が欠かせません。
事前に「期待される働き方」を知り、面接でもを的確に言語化できるようにしておきましょう。
こちらの記事では、「落ちこぼれ」扱いされるかどうかの境界線を紹介しています。

次のステップ:「無料相談」に申し込んでみる
「自分のキャリアをどう語るか」に迷っている方は、まず無料相談で状況整理をしてみましょう。
【無料相談申し込みフォーム】から、代表・高松智史による1対1のセッションが受けられます。
「構造的に考える力」は、転職だけでなく入社後の活躍にも直結します。 もし今、「何をどう答えるべきか」に迷っているなら、一度プロと一緒に整理してみませんか?
Noteもやってます!
メンバーシップでは、ケース面接での論点の立て方や、初学者がつまずきやすいポイントについては、noteでも情報を発信しています。
