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新卒アクセンチュアからシニアマネージャーなるためのキャリアアップ戦略

新卒でアクセンチュアに入社し、シニアマネージャーまで昇進した高橋さんに、キャリアの節目ごとに意識していたことや、成長するためのポイントについて詳しくお話を伺いました。

本記事では、そのインタビュー動画の内容を再編集し、ジュニア時代の学びからマネージャー昇進の壁を乗り越えるための戦略、さらにはシニアマネージャーとしての視点までを詳しく解説します。アクセンチュアでのキャリアアップを目指す方、特に「マネージャーになれない」と悩んでいる方にとって、実践的なヒントが詰まった内容となっています。

目次
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1. 新卒アクセンチュアで、「当時の自分」にアドバイスするとしたら

新卒でアクセンチュアに入社した当時は、外資系コンサルタントという肩書に少し浮かれてしまい、自分を過大評価していたように思います。振り返ると「お前は本当に何も知らないんだから、自覚して、急いで学べ」と言いたくなります。知識もスキルもまだまだ足りない状態であることを早めに認め、謙虚さを持って周囲から学ぶ姿勢を貫くべきでした。

同時に、心のバランスを保つための場所を確保するのも大切です。仕事が思うようにいかず自信を失いがちなジュニア時代こそ、家族や友人、サークル仲間など、自分が落ち着ける環境を持つことで、過度なストレスから自分を守ることができます。

さらに、入社前、できればタイピングや議事録作成、Excel・PowerPointなど、基本的なPCスキルをできる限り磨いておくと、入社後の作業スピードが格段に上がります。

後から慌てて覚えようとすると時間もかかり、肝心な考える時間が取れなくなってしまいます。多少無理をしてでも学生時代に身につけておけば、ジュニア期にリードを保ちやすくなります。

2. 今、振り返った時、ジュニアコンサルの時に読んでおけばよかった本

ジュニア時代、無我夢中で業務に追われていた頃、「もう少し早く読んでおけばよかった」と感じる本は少なくありません。特に、薄くてパッと読めるものの中に、システム思考など事象のつながりを整理するヒントがあると気づきました。

コンサルティング業務では、一つの課題を解決しても、そこから新たな課題が生まれることが多々あります。複雑に絡み合う要素をどのように整理し、わかりやすく構造化して伝えるかは、ジュニア時代に身につけておきたい大切なスキルです。システム思考に近い内容を扱っている本や、「ライトついてますか?」のように問題には必ず持ち主がいるといった視点を教えてくれる本を一冊でも読んでおくと、頭の中がこんがらがった時に助けになるはずです。

3. ジュニア時代のキーは師匠を見つけること

新人コンサルタントにとって、師匠となり得る先輩や上司、さらには数年先輩の同期が存在するかどうかで、成長速度が大きく変わります。

私の場合、3年先輩だけれども同い年だったSV(スーパーバイザー)の棚橋さんが、まさにそれでした。同い年なのに圧倒的な実力差があり、社会人とはこういうものなのかと目の当たりにする経験となったのです。

棚橋さんは塾講師の経験をお持ちで、私に対してアメとムチを巧みに使い分けながら、しっかり育ててくれました。特に、定例ミーティングやレビューの「予定を先にバミる(先に見通しをつけて予約してしまう)」という習慣は、今でも活きています。終わったばかりのミーティングを横目に、上司へ即座に「次回はこのアジェンダでこんな資料を用意しますが、いつレビューいただけますか?」と聞いて日程を押さえることで、無駄な待ち時間を削り、プロジェクトを前に進められるようになりました。

4. これは俺しかしてないだろうな!と思える工夫をする

運命的に師匠と出会えたケースもありましたが、自分自身で「これをやろう」と決めて実践していたことはそれほど多くありません。ただ、ひとつ意識していたのは、使っていただくという姿勢です。ジュニアのうちは、自分でやりたいプロジェクトを選べる立場ではないことを早めに理解し、無理に志望を通そうとするよりは「どこへでも行きます。何でもやります」と伝えて、自分を活用してもらう方がいいと考えました。

実際に私は入社から5か月ものあいだアベイラブル(アサイン待ち)状態だったこともあり、「世の中って結局、すぐアサインされる人がさらに次の案件にも呼ばれるんだな」と痛感。自分が周囲にとって使いやすい存在となるよう努力したことで、チャンスを得やすくなったのを覚えています。

5. ジュニア時代に「こいつにはかなわない」と思った相手は宝

09年6月入社の同期は、ほぼ全員が「かなわないな」と思わせるレベルでした。特にB/Nトレーニング(ブートキャンプのような研修期間)では、周りのスピードや理解度に圧倒され、ついていっているフリをするのが精一杯だったのです。同じプロジェクトに同期が誰もいなかったのが、ある意味救いでした。もしそばにいれば、できなさが目に見えてバレていただろうし、メンタル的にも辛かったと思います。

その中で特に印象に残るのは、スタートアップ界隈で名を馳せているアカツキCEOの香田さんのような存在。遠巻きに見るだけでも別次元の才能だなと感じ、自分はどう頑張ってもここまでは到達できないかもしれないと思わされました。
しかし、それこそがモチベーションになり、自分に足りない部分を素直に学ぼうという姿勢に繋がっていったのです。

6. コンサル昇進――ジュニア時代から意識していたこと

アナリストからコンサルタントへ昇進する段階では、まずはとにかく飛び込むことを意識していました。作業ができないからといって逃げず、むしろ分からない部分を自覚しつつ先輩や同期にフォローを頼む。そうするうちに、チーム内で「とりあえず使ってみよう」と思わせる存在になり、結果的に成長の場に放り込まれてスキルアップが進むようになります。

また、タスクの処理だけでなく、クライアントがどの目線で物事を考えているか?をくみ取ることが重要です。マネージャーはもっと上の役員や本部長視点を見ていることが多いので、ジュニアとしては現場担当者や一つ下のレイヤーと信頼関係を築き、全体として成果を上げる一役を担うと、評価も上がりやすくなるでしょう。

7. マネージャー昇進という最初の壁――やっておいてよかった&やっておけばよかったこと

コンサルタントの時代は主に与えられた範囲を頑張れば済みますが、マネージャーはプロジェクトやチーム全体をコントロールする立場になるため、最初の大きな壁といえます。

振り返ってやっておいてよかったと感じるのは、一人で放り込まれるような案件に参加した経験です。ときには誰も助けてくれないような環境でサバイバル的にプロジェクトを進めなければならない時期があると、結果的にどこへ行っても初日から動ける自信と行動力が養われます。

一方で、英語力をもっと早めに強化しておけばよかったとも思います。英語が得意ではなくても仕事はできますが、グローバル案件や外資とのコラボレーションが多い会社では、英語力があるかないかで案件の幅が全く違ってきます。
もしマネージャーというポジションでさらに視野を広げたいなら、英語力を含めた自分の武器を増やす余地があるうちに積極的に取り組むと、キャリアはより素敵なものになります。

8. マネージャーとして意識してきたこと

マネージャーになると、今まで以上にメンバーとのコミュニケーションと組織対組織の折衝が重要になります。案件の内容が厳しいときこそ、メンバーとランチに行くなど気持ちを盛り上げて連帯感を築いたほうがチーム全体が前進しやすいのです。
一方、クライアント企業や自社との利害関係がズレる場面も見えやすくなり、チームメンバーを守りながら組織の要求に応えるという調整力も試されます。状況によってはマネージャーとして怖い立ち回りを選ばざるを得ないこともありますが、究極的にはメンバー側の視点を大事にしようと心掛けることで、信頼関係を保ちやすくなるでしょう。

9. シニアマネージャーはマネージャーと何が違うのか

マネージャーとシニアマネージャーの差は、単なる職位の違い以上に扱う領域の深さや利害関係の調整力の要求レベルが大きく変わる点にあります。

マネージャーがプロジェクトの進捗とチームを見ているのに対し、シニアマネージャーになると会社対会社の利害や契約、さらに上位職層(MDやクライアント役員)とのやり取りに本格的に巻き込まれるのです。

また、シニアマネージャーとして意識させられるのはMD(マネージングディレクター)という立場の存在感。あと数年でMDに上がるのが既定路線の場合、そこまでにどんな成果やネットワークを築くかが大きく問われるため、目標設定やセールス面でのアクションもさらに高度化します。

10. シニアマネージャーになった理由を語るなら

もちろん簡単ではありませんが、あえて偉そうに言えば、「結果を出すことと同時に、その結果を周囲に知ってもらう工夫を続けた」という点が大きかったと感じています。プロジェクトをオンスケ・オンバジェで進めるのは前提として、社内イベントや勉強会に積極的に参加し、自分の意見を建設的に述べる。評価をするのも人間ですから、顔を覚えてもらい、こいつはこういう場で貢献しているんだなと認識されることが昇進につながりやすいのです。

SMGRやMD、さらには下のメンバーに対しても同じです。遠慮するだけでなく、勉強の場(ごはん)に誘ったり、積極的に関係性を作るように心掛けると、評価者にもメンバーにもあの人は声をかけやすい、頼りになるという印象を持ってもらえます。

11. 「考えるエンジン講座」との出会い

アクセンチュアでシニアマネージャーになるまでに学んださまざまなスキルや思考法を、言語化し体系立てて教えてくれる場として、後になってから「考えるエンジン講座」に出会えたのは非常に大きな収穫でした。正直に言うと、もっと早く知っていれば、ジュニア時代に味わった挫折の何割かは防げたかもしれないと思うほどです。

講師の熱量や、論点思考の組み立て方を実践的に学ぶ講座を受けることで、これまで「何となくやっていたこと」に明確な名前と理由が付いて、自分の中で再現性が高まります。シニアマネージャーとしてチームを率いる際、メンバーにもその思考法を伝えられるので、結果的にプロジェクト運営にもプラスに働きました。今振り返ると、アクセンチュア時代の学びの完成版として、考えるエンジンの概念が腑に落ちた気がします。

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まとめ

新卒でアクセンチュアに入り、アナリスト・コンサルタント・マネージャーと段階を踏んでシニアマネージャーに至るまでには、社内外問わずさまざまな壁を乗り越える必要があります。最初は自分が何もできないと痛感する日々ですが、謙虚に学ぶ、師匠を見つける、飛び込みつつアピールするという3本柱を意識し続ければ、必ずチャンスは巡ってきます。

さらに、マネージャーやシニアマネージャーで要求される視点や調整力は、組織対組織の利害や評価者との関係を考慮しながら成果を出す総合力。そこに至るまでに、一人で放り込まれるようなPJTを経験し、英語や基礎スキルを磨き、周囲に成果を知ってもらう努力をしておけば、大きなジャンプが可能となります。

アクセンチュアでシニアマネージャーに上がった先に気づいた考える力の奥深さ。それを体系化して学び直せる機会があれば、ぜひ躊躇なく飛び込んでみてください。ジュニア時代の自分を思い出しながら、もっと早くこの講義を受けていれば!と思うかもしれませんが、今からでも遅くはありません。コンサルティングという枠組みを超え、ビジネス全般で役立つ論点思考を手に入れて、キャリアをさらに加速させていきましょう。

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