プロコン(proscons)とは?BCG流!プロコン活用プレゼン資料作成テクニック
プロコン(proscons)とは?BCG流!プロコン活用プレゼン資料作成テクニック
BCG流!「プロコン(=Pros & Cons)」を活用したプレゼン資料作成テクニック
今回はですね、ちょっとコンサルっぽい話をしようかなと思ってます。
プロコン…田の字の書き方間違えてませんか?という話をしたい。
田の字って…あんまり、もしかしたらコンサルタント以外の方、コンサルタントでも知らない人いるかもしれないですけど。
プロコン(proscons=田の字)とは?
コンサルティングファームや外資系企業に在籍している方は「プロコン」って言葉は聞きなじみがある人もいるかもしれませんが正式には「Pros & Cons」。
田の字(=プロコン)って、2×2のセグメンテーションに使うようなものを指していて、単にその姿が似てるから田の字って呼んでるんです。「Pros & Cons」って英単語?と思われている方が多いかと思いますが、ラテン語が起源だと言われています。
メリット・デメリットのことを指します。
「Pros & Cons」って、本来はディベート用語で、賛成/反対ポジションに分かれて、ロジカルに議論を戦わせることを意味しているんですが、コンサル業務に落とし込むときは、比較検討、分析の整理をするときに使います。
そこで今回は「みなさん、プロコン(proscons=田の字)書き方間違えてませんか?」って話をします。
ちょっとコンサルっぽいでしょ。
プロコン(proscons=田の字)でメリット・デメリットを表現/整理する
たとえば、夏休みに旅行に行くとして「ハワイと博多どっちがいいですか」っていうのを整理するとこんな感じで整理できます。
横軸にハワイ・博多って書いて、縦軸にメリット・デメリットとおいて中身を書く。
- ハワイは、プールとか海があるし夏らしい遊びができていいね。
- でも、移動時間が長くて、ご飯はネックだね。博多は、移動時間が短くて、ご飯がおいしいね。でも、夏らしい遊びはできないね。
みたいなことを書きます。
これを「田の字」っていったり、プロコンと呼びます。コンサルだとこれをよく書くんですよ。決定的にみんなこういうのを書いてる人がめちゃくちゃ多いんですが、この例じゃダメなんです。
ダメなプロコン(proscons=田の字)の例
先ほどのプロコン(田の字)の何がダメなのか、わからない人のために、今回、解説をすすめていきたいと思います。 先ほどの画像をもう一度ご覧いただくと、以下の点が「逆のことを言っている」ことに気づいてもらえると思います。
【ハワイ】「常夏」で過ごしやすく、プール、そして、美しい海がある
【博多】夏らしい遊びはできない
【ハワイ】移動時間が短く便利。+ご飯も美味しい。
【博多】移動時間が長い+ご飯がネック
これが問題なんですよ。これだったら書く意味ないし、田の字にする意味がないんですよ。なので、自分が過去に書いたスライドとか、思い出してみるとこれが真逆になっているケースが多いはずです。
もし、こういうのを書いているとしたら、「これは間違ってるぞ」「うまく書けてない」というふうに思っていただきたいんですよ。
正しいプロコン(proscons=田の字)の書き方手順
では、どうしたらいいか?ですが、こちらの画像をご覧ください。
仮に”X” を推しているとすると、まず “X” のメリットについてを全力で書きます。まあこれは変わらないんですよ。次に、”X” のデメリットを書くんですけど、特に「こういう条件下においてはすっげえ悪いよ」っていう風に書きます。
で、次に、今度は “Y” のメリットについて「こういう条件下において、めちゃくちゃ良いですよ」って書く。こっちは制限してるイメージが強いんですよ。こういう時だったらいいよねって言い方ですよね。
最後に “Y” のデメリットは、「こういう条件下だったらめっちゃ悪いけど大丈夫」って書き方をします。
で、こうすると、逆になったとしてもですね、付加価値のある情報が書けるので、こういうふうに意識していただくとプロコン…田の字って書けるんですよ。
正しいプロコン(proscons=田の字)で情報を正しく整理する
では、先ほどの例でどうなるか実際にやってみましょう。
まず、ハワイのメリット(=Xのメリット)は「常夏で過ごしやすくプール、そして海がある」って書くじゃないですか。これは、そのまま。
で、今度、博多のデメリット(=Yのデメリット)は、「夏らしい遊びができずボトルネックに。」だけじゃなくて、「子連れの家族旅行などの場合」とか、こういう場合めっちゃ悪いよねって書きます。
で、次にハワイのデメリット(=Xのデメリット)は「ご飯がネック」だけじゃなくて、「周りにレストランが少ない」「キッチンがつかないホテルだとすっげえご飯がネックだよね」って書き方してあげるんですよ。
で、一方で、博多のメリット(=Yのメリット)は、「一泊二日とか、短期で行く際など、近く移動時間が短くて便利だし、ご飯もおいしいよね」みたいに、書きます。
さっきみたいに、この反対に書くだけじゃなくて、「こういう条件下ではプラスマイナスがありますよね」って書いてあげるのが、正しいプロコンの書き方です。
ま、これを意識して書いて頂けると、より、書く意味が出てくるんで、自分が田の字を書くとき、つまりプロコンで田の字を書くときっていうのは、これを意識していただくと、もう一段いい思考になりますし、結果的にいいスライドになるんでそれを意識されたらいいかなと思います。
実は本当は書いてはいけない「プロコン(proscons=田の字)」なぜ?
ここまで説明してみたんですが、実は、そもそも、みなさんが結構書くプロコン…田の字は、本当は書いてはいけないんです。なぜ、書いてはいけないのか?みなさんわかりますか?
答えは、評価基準(=場の魅力度、移動時間、ご飯の旨さ)が埋もれてしまっているからなんです。
ハワイと博多で比較するなら、”何で比べてるのか?” っていうのが、本来、括りだされていないといけないわけですよ。先ほどの田の字は、よく見ると「場の魅力度」とか「移動時間」とか「ご飯のうまさ」とかで比較してるんですけど、それが表現されてないんでわかりづらくなっちゃうんですよ。 だから、書いちゃダメなんです。
なので、みなさんもコンサルと仕事するときに、田の字スライドがきた瞬間にめちゃくちゃつめましょう。
で、どうつめるべきか、どういうのが答えかっていうと、こういうふうにしてほしいんですよ。
縦軸に評価基準、横軸にオプションで評価されて、〇×とか◎みたいな話を書くと、より論点が明確になるんで、こっちのが素敵なんですね。
なので、今後、みなさんは先ほどの田の字を見た瞬間、「あ、これって、あ…基準が括りだされてないよな」っていうふうに気づくので、基準を選択して、ちゃんと作って比較するんだったら、圧倒的にこっちにしなきゃいけないと意識してください。
さいごに
繰り返しになってしまうんですけど、プロコン(proscons=田の字)スライドを見たらですね「あー、こいつこれくらいのもんか」って思ってめちゃくちゃつめるっていうのをしてみたらどうかなと思います。
【動画】プロコン(proscons=田の字)ってなに?BCG流!プレゼン資料作成テクニック
BCG流!コンサルのプレゼン資料で分析結果を表現するプロコン(田の字)の書き方について解説したYouTube動画もあるのであわせてご覧ください。