外資系コンサルティングファームの新卒アソシエイト仕事術 episode.10
外資系コンサルティングファームの新卒アソシエイト仕事術 episode.10
はじめに
外資系コンサルティングファームBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)に新卒で入社した女子 “ファンタジスタ品川” さんが、コンサルティングファームに新卒で入社するも、活躍できていない。とお悩みの皆さんの為に、センスたっぷりな、コンテンツを書いてくれました!
「外資系コンサルティングファームの新卒アソシエイト仕事術」とは
について外資系コンサルティングファームBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)に新卒で入社した女子 “ファンタジスタ品川” さんが大いに語ってくれています。
こちらのコンテンツは、episode.0からスタートし、episode.20まで、徐々にレベルが上がっていくように仕立てられていますので、順番にご覧いただくのがおすすめです。
また、それぞれのテーマをもとに、考えるエンジン講座代表の高松智史とファンタジスタ品川さんが、解説している「動画」もyoutubeにUPしておりますので併せて、お楽しみください。
記事から見ても、動画から見ても、楽しめると思います。
外資系コンサル新卒入社女子、”ファンタジスタ品川” とは?
海外大学から、新卒でBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)に入社の素敵女子。
その後、6年?くらいBCGで戦い、突如、医者の道に。BCG時代の私のお気に入りであり、今でも何かと頼りにしている人物こそが「ファンタジスタ品川」
海外大学で専攻していたのは・・・「生化学」。あ~なるほど、だから「医者」目指してるんだ!という納得感以上に、「え?理系なの?」という思いが充満しております。そんな、彼女が今回の主人公。
もう少しちゃんと聞こうとファンタジスタに聞いたら、
最初の大学での専攻は生化学でした。生化学とは、生体内の化学物質(タンパク質やコレステロールなど)の機序を、勉強します。 わたしは、セレノシステインという21番目のアミノ酸を含んだタンパク質についての研究室にいました。(タンパク質はアミノ酸で構成されている。ヒトタンパク質のアミノ酸は20種だが、セレノシステインは21番目のアミノ酸) 超ちなみにですが、その研究室はボスがロシア人で、旧ソ連系の国出身の研究員ばっかりでしたw
だとさ。
コンサル用語/BCG用語
本文に入る前に、コンサルティング業界やBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)で使われている、コンサル用語/BCG用語について少し補足しておきます。
UP or OUT
アップ or アウト。「昇格するか、さもなければ、辞めて頂きます。」という、プロフェッショナルを表す言葉。であり、「コンサルティングファームに転職したくない!」と思わせるお言葉。
ではありますが、みなさんが一般的なイメージと実際は少し違います。
役職
コンサルティングファームごとに少し呼び方は違いますが、BCGではこんな感じです。
- A(アソシエイト):入社3年目まで
- C(コンサルタント):入社5年目くらい
- PL(プロジェクトリーダー):入社8年目くらい
- PP(プリンシパル):入社10年目くらい
- P(パートナー/MD):入社12年目くらい
テニュア
テニュアとは、A1、A2、C1、C2のように、「役職+何年目か?」で括った階層のこと。評価は、この単位で行われる。例えば、「高松さんは、A1として、全然だめだよ」とか「品川さんは、A2でぐっと伸びたね」的に使います。
PL(ピーエル)
プロジェクトリーダーのこと。アソシエイトとコンサルタントを2-3名従え、パートナーと戦い、顧客に価値を出す勇者のこと。
プロジェクトが燃える
これは世にいう“案件が火をふいている”というのと同じ。うまくいってない案件を指す。しかし、コンサルの場合、貰っている額が額であるのもそうですが、それ以上に “付加価値はあくまで、単なる紙” であること。だから、燃える燃える。ケースがうまくいかなかったら、まさに大炎上です。
空パック(カラパック)
パワーポイントの各スライドにタイトルだけを書いた資料のこと。一見、仕事終わった感だけを生む、この世で私が大嫌いであり、無意味だと思うモノ。
アソシエイト仕事術 episode.10 議事メモを極めよ
コンサルタントとして立ち上がるための仕事術—議事録の作り方
議事録作成はアソシエイトにとって、上司からの評価を得られる効率いい仕事のひとつ。そんな議事録作成にあたり、議事メモのメリット・作り方・やってはいけないことをそれぞれ3つずつご紹介していただきました。昇進のトリガーにも成り得る議事録の仕事術をマスターしちゃいましょう。
さて、あなたはどのようにして一日を開始しているだろうか。
おーい、今回のミーティングの議事メモ書いてみんなに回しておいてな
はい。。。
げげげ、超めんどくさいオーダー来たぞ。一人一人の発言思い起こして書き下すのって結構面倒なんだよな
議事録。これほどまでに自身を成長させ、上司からの評価を得られる効率のいい仕事はない。
それをわかっていない輩が多すぎる。
ここで議事録についてこの三本立てでお伝えしよう
- 議事メモのメリット三選
- 議事メモの作り方3ステップ
- 議事メモでやってはいけないこと三か条
議事メモのメリット三選
ミーティングでの議論ポイント、決定事項、ネクストステップを把握できるので置いてけぼりにならない。
新人アソシエイトにはありがちであるが、論点がわからず何をみんなは議論していて、何が決まり、次に何をすべきか迷子になる人がいる。議事メモを書いていれば一気に論点を把握できる。もしそこまで書けない場合、あなたが書いた議事メモをベースに上司がみっちり指導してくれる。上司としても、部下がどこまで理解できていて、何がわかっていないのかがすぐわかるので指導しやすいのだ。
こいつ、出来る。。。と上司にアピールできる。
どれくらいあなたが現状と課題を理解しているか、頭の中を見せることは難しい。だが、GOODな議事メモを上司に見せれば、一発で「こいつ分かってるな」と思ってもらえる。
「すみません。。。そんなGOODな議事メモ書ける自信がないです、、」そんなあなたも大丈夫。議事メモをさっと書いて回すことで、あなたのやる気は伝わる。無能を有能に見せることはできないし、する必要はない。だが、仕事に対する熱意だけでも示すことができるのだ。
スタンスをもって行きたい方向に寄せられる(少々アドバンストではあるが) 議論の中で、なんとなくどっちつかずなまま終わる論点がある。それをこれから自分たちが持っていきたい方向に少し寄せてメモを書き上げることができるのは、最初にメモを書いた人の特権だ。
議事メモの作り方3ステップ
今回のミーティングでの議論内容、「要はなんだったのか」3つ(多くて5つ)を書く。
この3行を読めば、不参加者も議論内容を把握できる、そんな内容を書き下す。話の順番とかはどうでもいい。パートナーとタクシーに同乗しているときに、
今日のそっちのミーティングの内容は何だった?
と聞かれて30秒で答える濃さがベストだ。
例:とある病院での会議
- N95マスクなど医療資源を標準の使い方で使い捨てているため、将来不足していくことが懸念である
- 救急搬送された患者にコロナに特徴的な症状があるという事前情報がないと、感染対策をせずに治療にあたってしまっている
- コロナ関連の議論は日々更新されるため会議で話し合われて決まった内容が周知されていない
ステップ①で書いた議論内容を掘り下げた内容を書く。このとき、段落を一つさげて、詳細情報を書いていく。
例:とある病院での会議
- N95マスクなど医療資源を標準の使い方で使い捨てているため、将来不足していくことが懸念である
- 現在の運用では、咽頭ぬぐい液を取るたびにN95マスクを捨てている
- 欧米では3日間同じマスクを使用している国もあるらしく、長期間使用のプロトコルはありそう
- 現在は使った分の医療資源を補充するという運用のため使用量を減らしても意味はないかもしれない
- 救急搬送された患者にコロナに特徴的な症状があるという事前情報がないと、感染対策をせずに治療にあたってしまっている
- 発熱のある患者の隔離の運用はスムーズに行えている
- 気管挿管は特に感染リスクの高い医療行為だが、ゴーグルが救急外来に置かれていない
- コロナ関連の議論は日々更新されるため会議で話し合われて決まった内容が周知されていない
- 本会議で話し合われた課題が、そのあとどう対策を取ることになったのか不明なままである
- 決まった内容が院内の電子掲示板に掲示されてはいるが、コロナに関連しない事務連絡も掲示されるため、埋もれていく
- コロナ関連記事をまとめたフォルダーもあるが、それは政府発表の記事のみ
最後、ネクストステップを書く。これは一番書きやすいのではないだろうか。ネクストステップは必ずしもステップ②までに書いた議論内容と一対一対応である必要はない。
例:とある病院での会議
- 救急外来では患者診療にあたるときはwalk in、救急搬送に限らずゴーグル、マスク、手袋、エプロンを装着する
- 救急外来、発熱外来で使われる医療資源は一日同じものを使い、汚染された場合は原則として医療用アルコールで拭く
- 本会議で課題としてあげられた内容は、毎週行われているコロナ対策会議にて提起する
- 今後会議で決まった内容は院内掲示板に掲示するだけでなく、コロナ関連フォルダーにて政府発表のものと院内決定事項を分けて保存する
- 全職員、コロナ関連フォルダーを1日1回は目を通すよう周知する
と、このような感じである。
日時や参加者といった情報は必要に応じて追記すればよいだろう。
議事メモでやってはいけないこと三か条
ダイアログ形式であったり、会話の順番を意識して書く ダイアログとは会話式の記録のことである。やってしまいがちだが、ダイアログ形式の議事メモは全く頭を使わないただの作業でしかない上に、「で?結局何を議論して何が決まったの?」という質問に全く答えられていないのだ。
また、ダイアログではないにしろ、会話の順番を気にしすぎて変な文章になる人も多い。議論に参加していた人はどうしても会話の流れを重視しがちだが、そこはいったんバッサリ切り捨て、本会議で何が議論され、何が決まったか、を端的に書いていこう。
見直さない。
案外多いのだ。見直さない人が。一度書ききった後見直してみると、日本語がおかしかったり、書かれている内容のレベル感が一致していなかったり(つまり大きな話と小さな話が同列に扱われているということである)、誤字脱字があるのだ。これらは絶対あると思ったほうがいい。あなたは今まで一回もミスしたことがないと自信をもって言えるなら、見直さなくてもよいかもしれない。だが、そうでないのなら、絶対に絶対に絶対にどこかに1か所以上は不明瞭な点やケアレスミスはある。一番多いのは、会話の流れを重視しすぎて、書かれた文章だけ読んでも意味不明なことだ。そういう時は、大胆にバッサリ話の構造を変えて書き換えよう。要はどういう話だったのかさえ伝わればいいのだ。
24時間以上経過してから書く。
議事メモは鮮度が命だ。ミーティングが終わったら2時間以内に書き上げてミーティング参加者に流そう。ミーティングに参加していないパートナーにしてみれば、すぐに議論内容を知りたいのだ。そして24時間以上たってしまえば、記憶もあいまいになる。
以上が議事録についてあなたに知っておいてほしいことである。
議事録は非常に大切なものである。新しい何かを産むものではなく、すでに話された内容の振り返りであるため、嫌がる人も多い。だが、実はとんでもなく奥が深く、あなたを成長させ、昇進のトリガーにもなりうるものなのだ。
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コンサルティングファームに入社したものの、なかなかパフォーマンスできない。。。という方だけでなく世の中のビジネスパーソンなら身に付けておくべきことが詰まった1冊を。
考えるエンジン講座代表であり、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)で8年過ごした高松智史の著書『コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト』は、BCGに入社して、3年間で学んだことがギッシリ詰め込まれています。
アソシエイトのうちに、外資系戦略コンサルティングファームに入社してからの3年間を先回りしてみてはいかがですか?
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コンサルの思考と作法。
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BCGで過ごした、2度はできない「濃すぎた、怒られた」最初の3年間。そこで叩き込まれた全てを皆さまに伝授させていただきたい。
もちろん、「ただ普通に解説する」なんてことはいたしません。
全ての真髄を「VS」形式で鋭角に科学していきます。
更に言うと、3年目で終わることなく「4年目の高み」を味わう資格も皆さんに得てもらいたい。ぜひ挑戦して欲しい。そんな想いと野望が詰まった一冊です。学生も新人もベテランも、行き詰まっている人も調子こいている人も。 次のステージへ上がるための「何か」を探している人は、ぜひ!
高松 智史 (著)
出版社 : ソシム
発売日 : 2023/2/1
単行本 : 340ページ
さいごに
【解説動画】アソシエイト仕事術 episode.10 議事メモを極めよ
こちらの解説動画は準備中です。
【イッキ読み】外資系コンサルティングファームの新卒アソシエイト仕事術
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