外資系コンサルティングファームの新卒アソシエイト仕事術 episode.02
外資系コンサルティングファームの新卒アソシエイト仕事術 episode.02
はじめに
外資系コンサルティングファームBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)に新卒で入社した女子 “ファンタジスタ品川” さんが、コンサルティングファームに新卒で入社するも、活躍できていない。とお悩みの皆さんの為に、センスたっぷりな、コンテンツを書いてくれました!
「外資系コンサルティングファームの新卒アソシエイト仕事術」とは
について外資系コンサルティングファームBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)に新卒で入社した女子 “ファンタジスタ品川” さんが大いに語ってくれています。
こちらのコンテンツは、episode.0からスタートし、episode.20まで、徐々にレベルが上がっていくように仕立てられていますので、順番にご覧いただくのがおすすめです。
また、それぞれのテーマをもとに、考えるエンジン講座代表の高松智史とファンタジスタ品川さんが、解説している「動画」もyoutubeにUPしておりますので併せて、お楽しみください。
記事から見ても、動画から見ても、楽しめると思います。
外資系コンサル新卒入社女子、”ファンタジスタ品川” とは?
海外大学から、新卒でBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)に入社の素敵女子。
その後、6年?くらいBCGで戦い、突如、医者の道に。BCG時代の私のお気に入りであり、今でも何かと頼りにしている人物こそが「ファンタジスタ品川」
海外大学で専攻していたのは・・・「生化学」。あ~なるほど、だから「医者」目指してるんだ!という納得感以上に、「え?理系なの?」という思いが充満しております。そんな、彼女が今回の主人公。
もう少しちゃんと聞こうとファンタジスタに聞いたら、
最初の大学での専攻は生化学でした。生化学とは、生体内の化学物質(タンパク質やコレステロールなど)の機序を、勉強します。 わたしは、セレノシステインという21番目のアミノ酸を含んだタンパク質についての研究室にいました。(タンパク質はアミノ酸で構成されている。ヒトタンパク質のアミノ酸は20種だが、セレノシステインは21番目のアミノ酸) 超ちなみにですが、その研究室はボスがロシア人で、旧ソ連系の国出身の研究員ばっかりでしたw
だとさ。
コンサル用語/BCG用語
本文に入る前に、コンサルティング業界やBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)で使われている、コンサル用語/BCG用語について少し補足しておきます。
UP or OUT
アップ or アウト。「昇格するか、さもなければ、辞めて頂きます。」という、プロフェッショナルを表す言葉。であり、「コンサルティングファームに転職したくない!」と思わせるお言葉。
ではありますが、みなさんが一般的なイメージと実際は少し違います。
役職
コンサルティングファームごとに少し呼び方は違いますが、BCGではこんな感じです。
- A(アソシエイト):入社3年目まで
- C(コンサルタント):入社5年目くらい
- PL(プロジェクトリーダー):入社8年目くらい
- PP(プリンシパル):入社10年目くらい
- P(パートナー/MD):入社12年目くらい
テニュア
テニュアとは、A1、A2、C1、C2のように、「役職+何年目か?」で括った階層のこと。評価は、この単位で行われる。例えば、「高松さんは、A1として、全然だめだよ」とか「品川さんは、A2でぐっと伸びたね」的に使います。
PL(ピーエル)
プロジェクトリーダーのこと。アソシエイトとコンサルタントを2-3名従え、パートナーと戦い、顧客に価値を出す勇者のこと。
プロジェクトが燃える
これは世にいう“案件が火をふいている”というのと同じ。うまくいってない案件を指す。しかし、コンサルの場合、貰っている額が額であるのもそうですが、それ以上に “付加価値はあくまで、単なる紙” であること。だから、燃える燃える。ケースがうまくいかなかったら、まさに大炎上です。
空パック(カラパック)
パワーポイントの各スライドにタイトルだけを書いた資料のこと。一見、仕事終わった感だけを生む、この世で私が大嫌いであり、無意味だと思うモノ。
アソシエイト仕事術 episode.02 雑用を極めよ
コンサルタントとして立ち上がるための仕事術—「雑用力」を磨く
戦略コンサルティングファームのアソシエイトは、雑用を侮るなかれ。雑用は、ワークスタイルのセンスが問われます。当たり前の向こう側。の「雑用力」とは?
情報収集でリーダーに一目置かれたあなた。今までろくに評価されなかったあなたは有頂天になるだろう。
そして、ないがしろにするのだ。資料のコピー、 ミーティングの準備、会議室の片付け、議事録の作成と共有−−−−−−。
こんなのは俺の仕事じゃない。俺の仕事はもっとインテリジェントに頭をつかうことなんだよな〜。そう!こういう仕事は秘書がやればいいじゃん!
あほか。あほなのか。
今一度わきまえろ。自分の能力をわきまえろ。自分の心の不細工さをわきまえろ。
あなたの仕事のメインはむしろ雑用だと言っても過言ではない。逆に聞きたい。
プロジェクトチームの中であなた以上に雑用をすべき人間がいるのだろうか?
秘書か?秘書の仕事はプロジェクトの運営ではない。ボスの仕事をマネージングすることだけだ。
逆に言えば、秘書たちはボスの仕事をマネジメントできることであれば、なんでもする。5分刻みのスケジュールから30分のミーティング時間を捻出するし、海外要人とのアポイントメントだってとるし、年賀状も書くし、50部のコピーもするし、ペンが無いと言われればどこにでも届けるし、コートをクリーニングにだって出す。彼らはプロだからだ。
では、あなたはなんのプロなのか?情報収集のプロなのか?違う。
あなたは、プロジェクトを成功させるプロのはずだ。
では、なぜプロジェクトを効率よく進行するための仕事ができないのだ。
BOYS BE PROFESSIONAL、である。(クラーク博士のパクリなので、GIRSは気を悪くしないで頂きたい。)
わかったわかった、文句言わずに雑用でもなんでもするわ。ていうかすでに雑用なんてやらされまくってるんですけど?
とかつぶやいてしまうあなた。その口を針糸で、きつくきつく縫い付けてからじっくりとこの先を読んで考えるがいい。まず、あなたがどれだけ雑用力があるか、みてみよう。
開始5分前のミーティングルームを覗いてみよう。
あなたはぱたぱたと、印刷した資料をクリッピングしている。思ったより量が多かったのか、ちょっと焦り気味だ。あわててポンポンと座席においていっている。
そこにリーダーがやってきて、『財務分析したエクセルファイルも、用意しといて』と言われたようだ。
さらに焦ってコピーを取りに行く。ああ、、、A3で印刷しないといけないのにA4で印刷してしまった。。あ!A3に変えたはいいものの、印刷範囲がおかしいぞ。ミーティング開始10秒前になんとかすべての準備が終わった。
パートナーが入ってくる。パートナーは雑に並べられた資料を一瞥してから、まっすぐにホワイトボードに向かってペンを取る、、、が、ペンのインクがない!昨日のミーティングでもインクがなかったのに!
なんということだ。スマートさの欠片もない。
では、プロフェッショナルの開始5分前のミーティングルームを覗いてみよう。
全座席に、ピシッときれいに揃った資料が置いてある。
あなたは下座に座り、今日のミーティングで何をどう伝えるかをイメージトレーニングしている。
以上。
何?これだとよくわからないだと?ではもう少しみてみよう。
よく見ると、テーブルの端にホワイトボード用のマーカーの替えが置いてある。
開始3分前に入ってきたリーダーが、『財務分析したエクセルファイルも、用意しといて』と言う。あなたは焦らず印刷設定を確認しながら人数分、印刷して資料の一番下に綺麗に入れ込む。
印刷している最中に、念のためプロジェクターにエクセルをすぐ写せるよう、プロジェクターの準備だけしておく。やがてそこにパートナーが入ってきて、まっすぐにホワイトボードに向かってペンを取る。
ペンのインクが無いが、あなたはさっと替えを渡す。滞りなくミーティングが始まる。
プロフェッショナルのミーティングは、こうでなくてはいけない。
今は社内ミーティングだが、社内ミーティングはすなわちクライアントミーティングでの所作につながる。
資料が綺麗に並んでいるかどうかなんて、くだらないと思うだろうか?高いフィーを払う相手が、どたばたと資料を準備している様子をみていたら不安に思わないか?スマートに、ピシッと準備が整った様子を見せることで、安心すると思わないか?リーダー、パートナーだって同じである。
資料を置くことだけに気をとらわれるなかれ。資料を置くなら美しく、そして意味のある順番で置け。ミーティングで他に必要なものがないか、痒いところに手がとどく気遣いを見せつけるのだ。
わたしがいたBCGでは、こういうadditionalな仕事を「イーハン(一翻)をつける」と言っていた。
イーハンとは、麻雀のあがり役の単位のことで、小さい役をつけることで、元のあがり役より少しでも高い役をつけてあがろうとすることを、イーハンをつける、というのだ。
では、雑用力をあげるにはどうしたらいいか?
答えは「先回り」と「経験の蓄積」である。
先回り、とはリーダーやパートナーが言いそうなこと、やってほしそうなことを考えて先回りしろということだ。
ペンのインクがなくなりそうなのか?エクセルをプロジェクターに写してと言いそうなのか?テレフォンカンファレンスしたいと言い出しそうなのか?追加で見たそうな資料はないか?そういうことを考えるのだ。思いつかないのなら、考える時間をとることだ。ミーティング30分前に、10分考えてみろ。ミーティングにつき、何か一つは先回りできることはないか、考える癖をつけるのだ。
雑用力とは、とても高いレベルが求められるものである。最初から完璧に出来る人はなかなかいないだろう。そこで必要となるのが、ある程度の経験の蓄積である。「なーんだ。それなら入社して3ヶ月の自分ができなくてもしょうがないね!」と思ったあなた。「努力しない亀は、一生ウサギに勝てない」と、129回音読せよ。入社3ヶ月目の今から、上司や先輩に言われたことだけでなく、上司や先輩が見せた雑用力をどんどんメモして身につけていくのだ。
アソシエイトとして、いいコンテンツを用意すること。これはやって当たり前なのである。更にその上で、ピシッとした雑用力を見せつけることで、あなたは「イーハンつける」ことが出来るのだ。
コンサルが「最初の3年間」で学ぶコトを本で学ぶなら
コンサルティングファームに入社したものの、なかなかパフォーマンスできない。。。という方だけでなく世の中のビジネスパーソンなら身に付けておくべきことが詰まった1冊を。
考えるエンジン講座代表であり、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)で8年過ごした高松智史の著書『コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト』は、BCGに入社して、3年間で学んだことがギッシリ詰め込まれています。
アソシエイトのうちに、外資系戦略コンサルティングファームに入社してからの3年間を先回りしてみてはいかがですか?
『コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト』概要
累計発行部数10万部突破!ORICON【2023上半期本ランキング】ランクイン!とベストセラーとなった高松智史5冊目の著書。上司が部下に勧めたい本としても話題になりました。若手のビジネスマンにこそ身につけてもらいたいコンサルタントが最初の3年間で学ぶ104のことが詰まった1冊。
コンサルの思考と作法。
それは、業界も業種も関係なく、ビジネスパーソンとして身につければ間違いなく圧勝できる究極かつ普遍的なスキルです。
BCGで過ごした、2度はできない「濃すぎた、怒られた」最初の3年間。そこで叩き込まれた全てを皆さまに伝授させていただきたい。
もちろん、「ただ普通に解説する」なんてことはいたしません。
全ての真髄を「VS」形式で鋭角に科学していきます。
更に言うと、3年目で終わることなく「4年目の高み」を味わう資格も皆さんに得てもらいたい。ぜひ挑戦して欲しい。そんな想いと野望が詰まった一冊です。学生も新人もベテランも、行き詰まっている人も調子こいている人も。 次のステージへ上がるための「何か」を探している人は、ぜひ!
高松 智史 (著)
出版社 : ソシム
発売日 : 2023/2/1
単行本 : 340ページ
さいごに
【解説動画】アソシエイト仕事術 episode.02 雑用を極めよ
今回のテーマをもとに、考えるエンジン講座代表の高松智史とファンタジスタ品川さんが、対談しながら解説している動画も併せて、お楽しみください。
【イッキ読み】外資系コンサルティングファームの新卒アソシエイト仕事術
こちらのコンテンツは、episode.0からスタートし、episode.20まで、徐々にレベルが上がっていくように仕立てられていますので、順番にご覧いただくのがおすすめです。