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コンサルタントがハマるフレームワークの落とし穴と正しい使い方

コンサルタントといえば、フレームワーク。3C、4P、5フォース…いろんな「型」が世の中に溢れていますよね。

でも、正直に言うと、僕はフレームワークがそこまで好きじゃありません
むしろ、間違った付き合い方をしていると、思考が浅くなったり、行動が鈍ったり、結果的に「ポンコツ」になってしまう危険すらあると感じています。

今回は、コンサルタントが知っておくべき「フレームワークとの正しい付き合い方」と、
正しく使えば武器になる「代表的なビジネスフレームワーク12選」、そして僕自身が愛用している2つのフレームワークについてまとめます。

目次
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フレームワークを「考える起点」にしてはいけない

よくある間違いが、「フレームワークを使って考えよう」としてしまうことです。たとえば、何かテーマをもらったときに、「まず3Cで整理して…」「次に4Pで…」みたいに、最初に型ありきで考え始める人が本当に多い。

でも、それって本質じゃないんですよね。

たとえば、糸井重里さんがTwitterを始めたときの「5つの約束」。あれを作るときに、「心技体で整理しよう」なんて絶対考えてないはずです。

まず、伝えたい想いや考えがあって、あとから整理している。本来、思考ってそういう順番で生まれるものだと思うんです。

フレームワークは「説明責任」を果たすための道具

じゃあ、フレームワークはいらないのか?そんなことはありません。むしろ、正しく使えばめちゃくちゃ有効なツールです。

フレームワークは、自分の考えを他人に分かりやすく整理して伝えるための道具です。

まず「何を言いたいか」があって、そのあと「漏れなく・整理された形」に整えるために、フレームワークを後付けで使う。これが正しい順番なんですね。

コンサルタントの現場でも、クライアントとの信頼関係がまだ十分でない場合、「漏れなく考えています」「構造的に整理できています」という安心感を与えるためにフレームワークを使う。これが、本来の正しい使い方です。

「フレームワークを使え」は期待値の低さの裏返し

ケース面接でもよく「フレームワークを使って考えてください」と言われますが、
あれって裏を返せば、「君たちに自由に考えさせたらカオスになるよね」という期待値の低さの表れなんです。

とりあえず型に沿って考えてもらえば、ある程度まとまったものになるよね、という保険。
つまり、フレームワークで考えること自体がゴールじゃない、ということです。

代表的なコンサルタント用フレームワーク12選

とはいえ、正しく使えばフレームワークは強力な武器になります。
ここでは、コンサルタントなら押さえておきたい代表的なフレームワークをさらっと紹介しておきます。

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1. SWOT分析

内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を整理し、戦略の方向性を考える基本中の基本。

2. 3C分析

顧客・競合・自社という3つの視点から、市場を立体的に捉えるためのフレームワーク。

3. ファイブフォース分析

新規参入、競合、代替品、買い手、売り手という5つの力で、業界の競争構造を分析する。

4. PEST分析

政治・経済・社会・技術という外部環境要因を体系的に整理し、ビジネスへの影響を把握する。

5. バリューチェーン分析

企業の活動を細かく分解し、どこで付加価値が生まれているか、どこがボトルネックかを探る。

6. STP分析

市場をセグメント分けし、ターゲットを絞り、ポジショニングを明確に設計するための流れ。

7. 4P分析(マーケティングミックス)

製品・価格・流通・プロモーションの視点から、マーケティング施策を体系的に設計する。

8. BCGマトリクス

市場成長率と市場シェアから事業や製品を分類し、資源配分の方針を考えるフレーム。

9. VRIO分析

リソースの競争優位性(価値・希少性・模倣困難性・組織体制)を評価するフレームワーク。

10. MECE

漏れなくダブりなく情報を整理するための基本思考法。仮説思考や構造化思考のベースにも。

11. ピラミッドストラクチャー

結論を先に述べ、その根拠を階層構造で整理して伝えるプレゼン・レポート技法。

12. 5W1H

Who, What, When, Where, Why, How。問題を分解するための最も基本的な問いかけセット。

【実例】好きなフレームワーク2選

ちなみに、僕自身がビジネスの現場で特によく使うフレームワークはこの2つです。

BCG「アドバンテージ・マトリックス」

業界を、「優位構築の可能性」×「競争要因の数」で分類するマトリクス。

  • 手詰まり型
  • 規模型
  • 特化型
  • 分散型

この4象限で整理すると、市場の構造や勝ちパターンが一発で見えてきます。

BCG時代にパートナーの榊原さんと「フレームワーク基本ゴミだけど、アドバンテージマトリックスだけは良いよね」って笑いながら話してたのを思い出します。

動機付け×規律の4象限マトリクス

  • 動機付け高×規律高 → 精鋭部隊
  • 動機付け高×規律低 → 仲良しサークル
  • 動機付け低×規律高 → 奴隷集団
  • 動機付け低×規律低 → 怠け者の群れ

組織やチームの「今の状態」をパッと診断するのにすごく使えるフレームです。
アイスブレイクにもなり、そこから「どこを目指すか」を議論するきっかけにもなります。

まとめ:フレームワークに溺れるな、使いこなせ

フレームワークは便利な道具です。
でも、最初から頼り切ると、考える力を失います。

  • まずは自分の考えを持つ
  • そのあとでフレームワークで整理する
  • フレームワークは説明責任を果たすために使う

この順番を忘れず、10年目の結婚生活くらいの距離感で、フレームワークと付き合っていく。それが、コンサルタントにとって本当に大事な感覚だと思います。

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