30代未経験からコンサル転職は可能!30代が評価されるワケ!

「30代後半だけど、コンサル転職ってまだ間に合いますか?」
そんな相談を受けるたびに、2005年に自分が初めてコンサル業界に入った頃のことを思い出します。
当時はまだ、今のような「コンサル転職専門のエージェント」なんてほとんど存在していませんでした。
今でいうアンテロープやムービン、コンコードといった名前は影も形もなく、自分はインテリジェンス(今でいうパーソルキャリア)に登録して、手探りで挑戦したのを覚えています。
当然、ケース面接の過去問なんてありません。今のように「ケース対策はこの本」「フェルミ推定はこれ」というノウハウもなくて、まさにぶっつけ本番。
新卒で東大を出てすぐコンサルに行く、というルートも今ほど一般的ではありませんでした。
BCGに新卒で入った僕の2つ上の先輩(いまはファイザーの日本法人社長)がいたんですが、当時の採用はたったの2名。そんなレベル感だったんです。
僕が入社した2005年当時でも、大量採用と言われていたのは中途・新卒合わせてたったの20人。
中途採用は23〜26歳あたりが中心で、逆に「25歳過ぎてるなら、新卒でいいじゃん」みたいな論点も少なくありませんでした。でも、そんな時代から約20年。いまのコンサル業界は大きく変わりました。
20代の若手より30代の「ビジネス経験/実務経験と専門性」が評価される時代に
ひと昔前、2000年代前半までは中途採用も非常に限られていて、「25歳でギリギリ」「30歳を超えるとかなり厳しい」といった声が主流でした。でも今は、その常識が大きく変わっています。
特に、コロナ禍以降の数年間で、社会全体に「ホワイト化」の流れが一気に広がり、コンサルの働き方にも大きな変化が起きました。今や、「平日の深夜に徹夜するのは当たり前」といった働き方は、完全に時代遅れです。
徹夜を前提としたマネジメントなんて、もってのほかという感覚が当たり前になりつつあります。
さらに、土日に働くことも原則NG。企業側もその前提でプロジェクト設計を進めるようになりました。
こうなると当然、「がむしゃらに時間でカバーする人材」よりも、限られた時間内で価値を出せるプロフェッショナル人材が求められるようになります。
つまり、今のコンサルは若手の伸びしろではなく、即戦力として専門性を持った30代のビジネスパーソンに対するニーズが確実に高まっているんです。
だからこそ、事業会社などで培った業界での実務経験がある人、専門知識を持った人こそが「今のコンサルに合っている」時代だといえます。
事業会社でタスクをこなしてきた人こそ、意識の転換が鍵
とはいえ、30代での転職には乗り越えるべき壁もあります。それが「思考習慣の切り替え」です。
例えば、38歳で事業会社に16年勤めてきた人がいるとします。その人は日々、タスクを効率的に回す業務に慣れている一方で、論点ベースの働き方に触れる機会が少なかったかもしれません。
の立て方~クリティカル・シンキングと比較しながら学ぶ-300x158.webp)
でも、コンサルの世界はまさにこの論点ベースの働き方が土台です。だからこそ大切なのは、今の仕事の中で少しずつこの働き方を取り入れていくこと。
いきなり面接の場で完璧に振る舞う必要はなくて、日々の業務に論点意識を持ち込むことで、自然と思考の筋肉が鍛えられていきます。
『コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト』概要
コンサルの思考と作法。
それは、業界も業種も関係なく、ビジネスパーソンとして身につければ間違いなく圧勝できる究極かつ普遍的なスキルです。
BCGで過ごした、2度はできない「濃すぎた、怒られた」最初の3年間。そこで叩き込まれた全てを皆さまに伝授させていただきたい。
もちろん、「ただ普通に解説する」なんてことはいたしません。
全ての真髄を「VS」形式で鋭角に科学していきます。
更に言うと、3年目で終わることなく「4年目の高み」を味わう資格も皆さんに得てもらいたい。ぜひ挑戦して欲しい。そんな想いと野望が詰まった一冊です。学生も新人もベテランも、行き詰まっている人も調子こいている人も。 次のステージへ上がるための「何か」を探している人は、ぜひ!
高松 智史 (著)
出版社 : ソシム
発売日 : 2023/2/1
単行本 : 340ページ
『「フェルミ推定」から始まる問題解決の技術』概要
「フェルミ推定」は、市場規模推定や売上推定を算出する為だけの思考法じゃありません。成長戦略、新規事業などに幅広く応用できる、いわば戦略思考の原点とも言えます。そして、その考え方を丸っと凝縮して一冊にまとめたのが本書です。
今までの「ロジカルシンキング」や「問題解決」書とは全く違う、プラクティカルでわかりやすい、新しい問題解決本がここに誕生しました。
高松節が炸裂しまくりの、最高に読みやすくセクシーなビジネス書。ビジネススキルの新境地としてのフェルミ推定を、ぜひ堪能してください!
高松 智史 (著)
出版社 : ソシム
発売日 : 2022/2/26
単行本 : 320ページ
年齢が上がるほど、業界(インダストリー)への深さと専門性が問われる
30代でのコンサル転職では、20代にはなかったアドバンテージもあります。それは、「業界(インダストリー)に対する知見の深さ」と「再現性のあるスキル」です。
たとえば製造業出身なら、単に自分の担当範囲だけでなく、開発・営業・マーケ・サプライチェーンといった前後工程の構造まで語れるようにしておくのがポイントです。
そのためには、自分のインダストリーに関する本を10冊読む、ホワイトペーパーを読み込む、周囲の関係者と議論して全体構造を掴むといった下準備が必要です。
「このバリューチェーンでいうと、私はこの部分を担当していました。その中でもこういった意思決定が多く…」と専門用語も交えて語れると、評価は一気に上がります。

コンサル転職の合否には運の要素も。だからこそ、戦略的に挑む
最後にひとつ。どんなに準備をしても、1社目でいきなり受かる可能性は限りなく低いということも知っておいてください。コンサル業界では、候補者自身の実力だけでなく、「そのタイミングでの社内ニーズ」「前月にどんなバックグラウンドの人を採用したか」など、需給バランスという運の要素も少なからずあります。
だからこそ、複数社に並行して挑戦すること(10社前後が目安)、そして最初の1社で経験を積んだあとに、行きたいファームに経験者として入り直す道もあるという考え方を持っておくことが大切です。

コンサル転職で失敗しないために考える力を身につけたい方へ
30代でのコンサル転職は、決して不可能ではありません。むしろ、今の時代背景においては「専門性を持った即戦力人材」として、大きなニーズがある世代でもあります。
でもその反面、入社後はアソシエイトやマネージャーと同じ基準で成果が求められる世界でもあります。
現場で通用する力、たとえば「論点を立てる力」「戦略的に構造化して考える力」がなければ、せっかく転職できたとしても、その後に苦労してしまうかもしれません。
そうならないためにも、もしご自身の今の働き方に少しでも不安があるなら、ぜひ一度「考えるエンジン講座」をご検討ください。

30代でのコンサル転職はもう遅いのか?──むしろ今、必要とされている
年齢を重ねているからこそ、あなたには語れる経験と業界知見があります。それを考える力で整理し直すことができれば、コンサルの面接でも、入社後の現場でも、しっかりと価値を発揮できます。
ただし、注意したいのは、30代で入社した瞬間から、若手コンサルやマネージャーと同じ土俵で価値を出さなければならないということです。
新卒から叩き上げで上がってきた人たちと肩を並べるには、それ相応の準備と視座の転換が欠かせません。転職活動は「合格すること」がゴールではありません。入社後にしっかり活躍できる力を、今のうちから準備することこそが本質です。