外資系コンサルタントの「100日プラン」作成ポイント
外資系コンサルタントの「100日プラン」作成ポイント
コンサルタント流「100日プラン」の作成ポイント
そもそも「100日プラン」とは?
「100日プラン」とは、一般的にはM&A(合併・買収)の世界でPMI(Post Merger Integration)における成約から3か月間で行う実行スケジュール を指します。
M&Aの世界での「100日プラン」はクロージング後のDay1から実施され、PMIで重要な役割を占めています。
ちょっと小難しく聞こえますが、コンサルの世界で簡単に言えば、リーダーが新しい職に就任した時に「最初の100日にすること、為すことを記載したモノ」です。 と、言うことで、今回は、”コンサル流” 「100日プラン」についてご紹介したいと思います。
コンサルタント流「100日」プランは、どんな人/どんな時に必要?
「100日プラン」は、あらゆる方に勧めています。
もちろん、新任のマネージャーもそうですけど、転職で新しい会社に入社される方や、マネージャー職でない方も『新しい環境に変わった人』は、書くべきだとアドバイスをしています。 そう、これを読んでいる皆さんも、小さな環境の変化でも書くといいですよ。という話で、少し、「100日プラン」はこういうポイントを意識しながら書くといいですよ!って言うのを箇条書きでご紹介したいと思います。
コンサルタント流「100日プラン」の作成ポイント
実際に考えるエンジン講座受講生にしたアドバイス
「考えるエンジン講座」の受講生で、コンサルタントから事業会社に転職した方も、ボクの教えに沿って「100日プラン」を書き、今ではエースとして活躍しています。
なので、その時のアドバイスを思い出しながら、ご紹介したいと思います。
コンサルタント流「100日プラン」作成ポイント(1)
「まるで、”日記”のように」具体的に書く
「100日プランを作成する!」となると、「怒らないようにする」とか「何か一個、価値を出す」といった抽象的なことを書き並べがちですが、そうではなく、具体的に書いていく必要があります。
例えば、 100日(=3か月)を3分割して、会社の定時出勤時間が8時だとしたら、こんな感じに。
1か月目は「朝7時30分」、2か月目は「朝7時20分」、3か月目は「7時45分」に出勤する。
このくらい具体的にしないと、行動が変わりませんからね。
コンサルタント流「100日プラン」作成ポイント(2)
可能な限り想像力を膨らませて、その時の「感情」まで書いておく
「感情」は、その時に思っていそうなことまで書いておくと、なお、実現しやすくなります。
先ほどの作成ポイント(1)を例にすると、
1か月目は「朝7時30分」、2か月目は「朝7時20分」、3か月目は「7時45分」に出勤する。
但し、 「あの人、意気込んでいるな。」と思われすぎないように、「あの人、朝型なんだ」 とも思われるように気を付ける。
ここまでの2つが一番大事なルールと言えます。 違う言い方をすれば、この先100日分のOutlook予定表を入力しちゃう!くらいの勢いで、「100日プラン」を設計しちゃいましょう。
コンサルタント流「100日プラン」作成ポイント(3)
「目立ちすぎない」ということに気を付ける
「100日プラン」を作成すると「張り切りすぎて、周りから浮く」という現象に陥ります。
社長や大統領のように、一番偉ければいいですが、一般的にはそうではないので、「周りからどう見えるか?」も気にかけて設計を練りこむことが大事です。
コンサルタント流「100日プラン」作成ポイント(4)
「誰といつ会うのか?」のタイミングを明記する
「100日プラン」を設計する上で、「誰といつ会うのか?」というタイミングはすごく大事です。
「入社して10日目に部長と個別ミーティングで期待値を聞く」とか「一番長く在籍している社員とランチをして、下世話な話含め、組織の人間関係を知る」など、誰とコンタクトを取って、これからの新しい環境で働きやすくするためには、何を聞くべきか?を綿密に練る必要があります。
その会社・組織の文化や「暗黙のルール」も当然あるので、それがランチなのか飲み会なのか、はたまた会議なのか、誰とコンタクトをとるか?で、100日の濃さは変わります。
コンサルタント流「100日プラン」作成ポイント(5)
100日間に濃淡をつける
「たかが100日、されど100日」で、意外と長いのが3か月。
当然、計画通りにはならないので、ある意味、中間ポイントを決めておくことも大事です。
クイックヒットとホームランをどこで打つか?を一つのリズムにして
「いい分析をこのタイミングでお披露目して、おお、こういうことができるんだ!」と思われるような、クイックヒットを打つことを最初の1か月の終わりに設定する。
「2か月半経ったところで、本事業をよりブーストするための10個の提言を部長にする」というホームランを狙いにいく。
など、クイックヒットとホームランをどこで打つか?で100日の濃淡をつけると、よりいい100日プランが設計できます。
コンサルタント流「100日プラン」作成ポイント(6)
面倒な仕事を積極的、かつ定期的に取りに行くムーブを設計に入れる
「誰もやりたがらない」面倒な仕事を積極的、かつ定期的に取りに行くムーブを設計に入れると、組織・コミュニティになじみやすくなります。
例えば、毎週金曜日の13時に「誰もがやったほうがいいと思っているけど、面倒な作業、仕事ないか?」を考えて、積極的に動いてみます。
意外と以前からその組織・コミュニティの中に既にいる人より、新しく入った人材の方が気づきやすいものです。 会社組織には、何とも言えないバランスが存在するので、誰もが避けて通りたい仕事を積極的にするってことをやってみるのは大事です。
コンサルタント流「100日プラン」作成ポイント(7)
プライベート・土日の設計も入れ込む
「100日プラン」の中には、オフィシャルだけでなく、プライベートのスケジュールも忘れず、入れておきましょう。「このタイミングで沖縄に旅行にいく」など、そういう楽しい設計もしておくと、より「100日プラン」が絵に描いた餅になりません。
そう、「100日プラン」作成ポイント(1)の通り、「あとから見た時、”日記” のように」プライベートなことも入れ込みましょう。「この金曜日は早帰りする」なども、一旦決めておくと、いいですよ。
まだまだ、大事なことはありますが、次を最後にしておきますね。
コンサルタント流「100日プラン」作成ポイント(8)
「前職の経験」についての話を最初のうちにするのはご法度
「前職の経験」=「前職では、、、」トークを前半のうちにするのはご法度です。
感覚的に言えば、前職の経験についての話をするのは「3か月目」からにしましょう。
議論が熱くなると、とっさに「前職ではこんなことしていません」的なことを言ってしまいがちです。これを言ってしまうと嫌われます。それが、どんなにいいアイデアだったとしてもです。だからこそ、タイミングを見極めましょう。特に、コンサル出身者には、これは注意するよう言っています。
さいごに
こんな感じに「100日プラン」には練りこむ観点がいっぱいありますから、ぜひとも、ご紹介した8つを意識しつつ、作成してみてください。
最後に一つ。
実際は、作成した「100日プラン」以上には濃くなりません。そう、行き当たりばったり、アドリブ、瞬発力では濃くなりません。あっという間に時は流れますし、自分の”キャラ”も定まってしまいますからね。
さぁ、今からでも遅くありません。100日プランを書きましょう!
コンサルタント推奨書籍
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