中学受験は「戦略」で決まる──灘の良問から学ぶ“思考力”の伸ばし方

中学受験の良問を分析していくと、単なる知識勝負ではなく、“思考の質”そのものが試されていることが見えてきます。情報を整理し、仮説を立て、最適な判断をする──
これは、僕たち大人がビジネスで使う思考そのもの。
だからこそ、中学受験は 家庭の思考力を磨く絶好の舞台 になります。
ここでは、
「なぜ今“思考力”が求められるのか」
「家庭は何を理解しておくべきか」
を、できるだけシンプルにまとめました。
中学受験という旅を“納得感のあるもの”にするために、まずはここから整理してみてください。
序章|中学受験でいま“思考力”が求められる理由
中学受験の良問をビジネス視点で分析すると、驚くほど“思考の本質”が見えてきます。
知識量ではなく、情報整理、仮説構築、戦略的な判断。
これはまさに、僕たち大人が日々の仕事で向き合っている“思考の型”そのものです。
この2年間、灘・開成・筑駒といったトップ校の問題を、現役東大理Ⅲで元・鉄緑会数学科トップ講師の鈴木宏武先生と共に読み込み、議論し続ける中で、強く確信しました。
良問は、子どもにも大人にも「頭の使い方」を教えてくれる。
だからこそ、中学受験を控えるご家庭にこそ、この“思考の世界”を知ってほしい。
ここでは、中学受験とビジネス思考がどのようにつながるのか、そしてなぜ「戦略」が家庭に必要なのかを、シンプルにお伝えします。
第1章|中学受験は“戦略がもっとも効く”世界である
中学受験の世界を深く知っていくと、最初に突き当たる真実があります。
それは──
「努力だけでは勝てない世界である」
そして同時に、「戦略がもっとも効く世界である」 という現実です。
もちろん努力は必要です。
しかし、中学受験は “全員が努力する” 世界。
同じ塾、同じテキスト、同じカリキュラム。
横並びの環境では、努力量の差は大きな差になりにくい。
さらに──
12歳という「地頭の差が露骨に出る年齢」で戦うことになる。

だからこそ、多くのご家庭がこう感じます。
- 「友達のあの子は地頭が強すぎる…」
- 「同じ塾なのに、なぜ伸びない?」
- 「やってもやっても、点が伸びない単元がある」
これらは、中学受験の構造を知れば“当然”なんです。
では、どう戦うべきか?
答えはシンプルです。
戦略の本質とは「捨てる」ことである。
志望校の傾向に合わない単元は、勇気を持って捨てる。
その分「出る領域」に全振りする。
これだけで勝率は劇的に変わります。
これはコンサルティングの世界における戦略設計の思考プロセスとまったく同じです。
- 全量を把握し
- 戦う場所を選び
- 捨てる領域を決め
- 資源(時間・演習量)を集中投下する

この“戦略の型”を理解して動けるのが、実は ビジネスパーソンであるパパの強み。
中学受験は、パパがもっとも活躍しやすい世界 と言っても過言ではありません。
第2章|トップ校の良問は、ビジネス思考と同じ構造をしている
灘・筑駒・開成といったトップ校の入試問題を、2年間かけて読み解いて確信したことがあります。
良問とは、「思考の型」を極限まで純度高く残した“思考トレーニング”である。
一見すると、ただの算数・理科の問題です。
でも、その奥にある構造は驚くほどビジネスに近い。
僕は仕事で毎日「思考の筋肉」を使う世界にいます。
- 情報を整理し
- 論点を抽出し
- 仮説を立て
- 選択肢を比較し
- 最適解にたどり着く
このプロセスは、コンサル業界では当たり前に行われている“思考の型”です。
そして、灘や筑駒の良問は、この構造を 小学生向けに極限まで研ぎ澄ました形 で存在しています。
良問の本質は「情報の再構築」にある
良問には、いくつか共通点があります。
① 情報が過不足なく提示されている
余計な装飾が一切ない。必要なものだけが並ぶ。
② 解くために構造化が必要である
そのまま読んでも解けない。
「関係性」に気付いた瞬間、世界が一気に整理される。
③ 複数の可能性を比較し、最適解に向かわせる構造になっている
“当てる問題”ではなく、“考える問題”。
④ 最終的な答えではなく、プロセスが思考力そのものである
ここが最大のポイント。
この4つの条件が揃うと……算数の顔をしたビジネス課題 が出来上がります。
僕が灘の問題を読んでいて何度も思ったのは、「これ、完全にコンサル新人研修でやらせるやつだよね」ということ。 それほどまでに、良問は思考の骨格が剥き出しになっています。

良問に触れること自体が「思考の筋トレ」
中学受験の勉強というと、暗記や反復のイメージが強いかもしれません。
しかし、トップ校の良問に触れると分かります。
思考の筋肉を“使わないと進めない”構造になっている。
これは、子どもの思考力を飛躍的に伸ばす。
そしてもうひとつ大事なことがあります。
この筋肉は、大人になっても錆びない。
思考力は、人生のどのステージでも使える。
だから、灘や開成の良問は「受験のためだけ」ではないんです。
これは、著書「頭」を使える良問 の根底にある思想でもあります。

だからこそ「良問」は受験を超える価値を持つ
受験の点数に直接寄与するのはもちろんですが、良問が本当に育てているのは 思考の土台 です。
- 中学に行っても伸びる子
- 高校で化ける子
- 大人になって“仕事ができる人”
こういう子たちは例外なく、“思考の土台が強い”。
だからこそ、僕はあえて言いたい。
良問は、人生のどの瞬間でも効く「思考のエンジン」である。
そして、著書「頭」を使える良問 が目指したのは、そのエンジンの“作り方”を家庭に届けることなのです。
第3章|中学受験でパパが“乗船”すべき理由とは
僕が世に送り出した中学受験に関する記事の中で、もっとも反響が大きいテーマがあります。
それが──「中学受験の船に、パパを乗船させる」という考え方です。
なぜ、ここまで強調するのか?
理由はとてもシンプルです。
パパが乗船した家庭は、成功確率が一気に上がる。
大げさではなく、これは統計的にも構造的にも明確な“事実”です。
多くの家庭で起きている構造的な“片寄り”
典型的な受験期の役割分担は、こうなりがちです。
- ママが“現場司令塔”として日々の進捗管理を担う
- パパは「報告だけ聞く人」になる
- 戦略や意思決定がママに集中し、負荷が高止まりする
- パパは“蚊帳の外”のまま受験が終わる
これは決して悪い構図ではありません。
でも──受験という戦い方としては不十分 です。
中学受験は「戦略ゲーム」である
中学受験は、単純な“努力量の勝負”ではありません。
どんな戦略で戦うか──ここで勝敗の8割が決まります。
たとえば、
- どの単元を捨てるべきか
- どこにリソースを集中すべきか
- どの学校と相性が良い(悪い)のか
- 過去問の得点計画をどう作るか
これはまさに、情報整理 → 構造化 → 意思決定という、完全にビジネスと同じ領域。
こここそ──
パパが最も強みを発揮できる場所 なのです。
ビジネスパーソンのパパは、論理・数字・戦略思考が日常。
この“武器”を使わないのは、あまりに勿体ない。

パパが“乗船できない”のは能力ではなく「環境」
ほとんどのパパは、“関わりたくない”わけではありません。
ただ単に、
- 中学受験は「ママの役割」という空気
- 関わり方が分からない
- 問題そのものに興味が湧かない
この3点によって、乗船のハードルが無駄に高くなっているだけ。
だからこそ、著書「頭」を使える良問では、パパが“読みたくなる設計” にこだわりました。
- 良問の裏側にある「思考の構造」
- ビジネスとの驚くほどの類似点
- 過去問の具体的な分析例
- 科目別の戦略ポイント
- なぜ点が取れないのかの因数分解
読むだけで、パパの思考エンジンが勝手に回り始める構造 になっています。

パパが乗船すると、家庭は“チーム”になる
著書「頭」を使える良問は、パパを中学受験の船に乗せるための最高のハシゴです。
なぜなら、パパが乗船した瞬間、家庭の構造がこう変わるから。
- 戦略が共有され、ブレなくなる
- 決断の負担が分散し、ママが抱え込まなくなる
- 子どもは“大人2名”の伴走で精神が安定する
- 家庭全体の“戦略偏差値”が上がり、点の取り方が変わる
中学受験は、家族戦。
そしてこの戦いを最も変えるのが──
「パパが戦略の舵を握る」 という構造なのです。
第4章|理科は最速で戦局を変える“戦略科目”である
中学受験で、算数・国語の陰に隠れて軽視されがちな科目──
それが「理科」です。
しかし、構想2年間。
鈴木先生(東大理Ⅲ・元鉄緑会トップ講師)と議論し続けて、僕は確信しました。
理科こそ、中学受験で “もっとも戦略が効く科目” である。
この事実を理解している家庭と、していない家庭では、受験の勝ち筋が大きく変わります。
理科が“戦局を動かす”理由は、大きく3つあります。
1. 理科は “ボラティリティ(点数の振れ幅)” が最も小さい
本番で最も点数がブレにくい科目。
つまり──
やった分が、そのまま点数になる。
比較するとよく分かります。
- 国語:本文との相性・メンタルで大きく変動
- 算数:計算ミスひとつで 30〜40点 飛ぶことも
- 理科:計算は軽め。知識+思考の組合せが中心
➡ 仕上がりが点数にダイレクトに反映
受験において「裏切らない科目」はほとんどありません。
だからこそ理科は、もっとも確実に積み上がる“武器”になるのです。

2. 理科は“構造化しやすい科目”で、攻略順が存在する
理科には、他の科目にはない強みがあります。
科目の構造が美しく整理できる=戦略が立てやすい。
理科は大きく3分類できます。
① 思考問題(灘・甲陽・海陽・桜蔭 など)
情報整理 → 仮説 → 図式化。
この「型」がハマると、一気に伸びる。
② 計算問題(てこ・滑車・濃度・速さ×理科)
算数の延長。
パターン反復で確実に上がる領域。
③ 知識問題
※ただし上位校は「知識だけ」は減少傾向。
知識+思考を問う問題が中心。
そして重要なのは──
この3つには“攻略する順番”がある。
① 思考問題 → ② 計算問題 → ③ 知識問題
この順番こそ、理科を最速で“終わらせる”ための必勝パターン。
もし僕がコンサルとして家庭の戦略設計をするなら、間違いなく「理科を最速のクイックヒット」にします。

3. 理科が片付くと、算数に全振りできる
受験は算数で決まる──
これは受験界の“真理”です。
しかし、算数に本気で投資するには、他科目で不安を残さないこと が前提。
だからこそ、
まず理科を終わらせる。
理由は3つすべてつながります。
- ボラティリティが低い(安定して積み上がる)
- 構造化しやすい(戦略的に終わらせられる)
- 再現性が高い(努力と成果が直線でつながる)
つまり、理科は──
唯一「短期間で1科目を完成」させられる科目。
そして理科が仕上がった瞬間、家庭の学習配分は劇的に変わる。算数に全振りできる。
ここで受験全体の流れが一気に変わり始めます。
第5章|灘理科を軸に見る、学校ごとの“出題思想”の違い
中学受験の理科は、学校ごとに“何を測りたいか”が驚くほど異なります。
だからこそ、その思想(フィロソフィー)を理解することが、最短距離の対策につながります。
鈴木先生とともに、灘の理科30年分を読み込み続けて見えてきたことがあります。
それは──各学校には、極めて明確な“出題思想”が存在するということ。
これは企業の「戦略」とまったく同じ構造です。
- 何を重視するのか
- どんな力を測りたいのか
- どこに差をつけたいのか
そして、その思想は過去問に“滲み出る”。
だからこそ──
思想を知らないまま過去問を解いても、効果は限定的。
逆に、思想を理解した瞬間、対策効率は跳ね上がる。
ここでは、代表的な学校の“思想”を簡潔にまとめます。

灘(兵庫)
キーワード:思考 × 計算 × 論理構造
灘理科は、受験理科の「思考系」の最高峰。
- 情報を整理し
- 仮説を立て
- 図で再構築し
- 論理で導く
この流れは完全に、ビジネスにおける問題解決プロセスそのもの。
灘の問題を分析していると、「これ、新人コンサルの“論点整理”では?」と思う瞬間が何度もあります。
著書「頭」を使える良問が生まれた原点は、まさにここにあります。
甲陽学院(兵庫)
キーワード:計算をベースにした“論理力”
灘より難しいと言われることもある計算領域。
- 情報量が少ない
- だが、解釈と計算の精度が極めて高く求められる
- ミスに対する許容幅がほぼゼロ
“論理的に積み上げる力”を徹底的に測る学校。
東大寺学園(奈良)
キーワード:思考・計算・知識のバランス型
尖っていないが、総合力を要求される絶妙な構成。
中学受験における 「良問の宝庫」 と言える存在。
海陽学園(愛知)
キーワード:灘と相性がいい“思考系”問題
海陽学園は非常に興味深い学校。
- 灘と近い「思考構造」を採用
- 情報整理 → 図式化の比重が高い
- 過去問の分析価値が極めて高い
灘を目指す受験生にとって、海陽は戦略的に組み込むべき学校です。
開成(東京)
キーワード:クセはあるが基礎固めに最適
開成には“開成らしさ”がある。
灘とは方向性が異なるが、良問が多く、基礎思考力を鍛えるのに最適な問題構造。
筑駒(東京)
キーワード:知識 × 思考の総合格闘技
筑駒は容赦がない。
- 知識
- 思考
- 論理
あらゆる領域を深く問うため、灘との共通性は薄い。
ただし、「頭がいい子が本能的に楽しい」と感じる学校。
まとめ|灘理科を軸にすると“世界が見える”
灘理科を徹底的に読み込むと、他校の問題が驚くほどクリアに見え始めます。
- どの学校が似ているのか
- どの学校と相性が良いのか
- どこを戦略的に“捨てる”べきなのか
これが分かるだけで、受験設計の精度は一気に上がる。 そして、この“構造を読み解く作業”こそ──
ビジネスの 市場分析・競合分析・戦略立案 とまったく同じなのです。
第6章|灘国語1が示す「語彙・知識」の重要性と安定得点化
2年間、このテーマを追い続けてきて、ひとつだけ確信したことがあります。
──中学受験は“努力ゲーム”ではなく、完全に 戦略ゲーム である。
もちろん努力は必要です。
しかし、“努力だけ”では勝てないのが、この世界の本質。
理由は非常にシンプルです。
- 地頭の差がもっとも露骨に出る年齢である
- 塾のカリキュラムは “ボリュームゾーン向けの横並び設計”
- すべての家庭が、同じ教材・同じ授業・同じ進度で学ぶ
つまりこの構造のまま突き進んでも、 差がつくようにはできていない のです。
では、何で差がつくのか?
答えはただひとつ──
「何を捨て、どこに集中し、どんな順番で積み上げるか」
つまり 戦略 です。
僕はこの2年間、多くのご家庭の受験プロセスを見てきました。
そこで強く感じたのは、
- 失敗する家庭ほど「なんとなく受験している」
- トップ校に合格する家庭ほど「例外なく戦略を持っている」
という圧倒的な差でした。
ここで言う戦略とは、気合いや根性ではありません。
企業が事業戦略を立てるときと同じ、構造化された意思決定プロセス のことです。
中学受験の戦略は、たった“3つの原則”で説明できる
整理すると、戦略は次の3つに集約されます。
戦略の構造

実行プロセス

① 捨てる領域を決める(=意図的に負ける場所をつくる)
試験範囲は広く、全部を完璧にするのは“構造的に不可能”です。
戦略とは「やらないことを決めること」。
- どこを切り捨てるのか
- どこに勝負を残すのか
この判断がすべての出発点になります。
② 勝つべき領域に“計画的に”リソースを集中させる
算数なのか。
理科なのか。
国語なのか。
家庭ごとに 最短ルート は異なります。
「うちはどこに投資すればもっとも再現性高く伸びるのか?」
この意思決定こそ、まさにパパの得意領域です。
③ 過去問を“定性的ではなく定量的に”読む
過去問は「問題」ではありません。
学校が「どんな子を欲しているか」という メッセージ です。
配点、構造、出題思想を読み解くことで、
- どこが毎年出るのか
- どこで差がつくのか
- 何を重視しているか
これらがクリアに浮かび上がり、
初めて“勝てる戦略”が成立します。
灘国語1は、この3原則を示す“戦略の象徴”である
灘国語1(語彙・知識問題)は、一見するとシンプルに見えます。
しかし、構造を読み解くと 戦略の本質が詰まった科目 であることが分かります。
- 年度ごとのブレが小さい
- 配点比率が高い
- 対策範囲が有限(努力が裏切らない)
- 得点差がつきやすい“戦略ポイント”である

つまり灘国語1は、「勝つべき場所」がどこかを示す羅針盤 の役割を果たします。
ここを押さえることで、科目全体の得点が一気に安定し始めるのです。
語彙・知識は“努力する領域”ではなく、“投資すべき領域”
多くの家庭が誤解していますが、語彙・知識は“根性で覚える場所”ではありません。
むしろ──最も費用対効果の高い投資先。
- 覚えた分だけ、確実に点になる
- 本番のボラティリティ(点の揺れ幅)を下げる
- 灘国語1だけでなく、読解の安定にも直結する
語彙・知識は、戦略的に“最初に積み上げるべき土台”なのです。
戦略ゲームだからこそ、パパが乗船した瞬間に動き出す
この3原則は、僕がBCGで徹底的に叩き込まれた「問題解決アプローチ」と完全に一致します。
だからこそ、中学受験は面白い。
そして面白いからこそ──パパが“参謀”として乗船した瞬間、家庭の受験は劇的に進み始める。
- ママは現場の司令塔
- パパは戦略参謀
この体制が整った家庭は、例外なく“最短ルート”を走り始めます。
第7章|家庭全体の「思考エンジン」を鍛える──良問がもたらす価値
最後に、著書「頭」を使える良問が、あなたの家庭にもたらす価値を、もう一度しっかり言語化しておきます。
この一冊は、
受験に“使う”本ではありません。
受験を“戦略的に捉えられる親”をつくる本です。
問題集ではない。
参考書でもない。
これは、
「思考そのものを鍛えるための本」
そして、“家庭の戦略力”を底上げする本です。
その結果として起きる最大の変化は、
子どもの点数の伸び以上に、家庭全体の意思決定スキルが上がること。
ここが、著書「頭」を使える良問のもっとも重要な本質です。
『「頭」を使える良問』が家庭にもたらす“3つの変化”


① パパが乗船する(=家族の戦力が一気に2倍になる)
中学受験という長い旅の中で、家庭は“チーム”になります。
- ママ:現場の司令塔
- パパ:戦略参謀(分析・構造化・意思決定)
この2つが噛み合った瞬間、家庭の受験体制は一気に強くなる。
著書「頭」を使える良問が最も提供したかった価値──それが 「乗船装置」 としての役割です。
② 子どもに“考えることの楽しさ”が芽生える
良問は、知識だけを問うものではありません。
常に問われるのは “どう考えるか”。
だから子どもに起きる変化はこうです。
- 当てにいく → 考えにいく
- 暗記する → 理由を理解する
- 正解を探す → 答えを“つくる”
この変化は、勉強の質を根本から変えます。
③ 息切れしない家庭になる(=判断に迷わなくなる)
戦略がある家庭は迷いません。
迷わなければ疲れない。
中学受験は想像以上に長い。
だからこそ──
“戦略のある家庭”は最後まで強い。
これは多くのご家庭を伴走して、心の底から実感している事実です。
ビジネスパーソンにこそ読んでほしい理由
あなたが日常で使っている力──
- 論点思考
- 仮説思考
- 構造化
- 優先順位付け
- 捨てる判断
これらはそのまま 受験戦略の武器 になります。
だから著書「頭」を使える良問は、受験本であると同時に、「ビジネス思考を家庭に持ち帰るための本」でもあるのです。
そして受験が終わっても、この思考法は錆びません。
むしろ、この先の人生でこそ 本領を発揮します。
おわりに
これから中学受験の旅に出るパパ・ママへ
中学受験は、大変です。
でも、間違いなく “面白い” 世界です。
そして──
この旅は、子どもだけのものではありません。
パパとママにとっても、人生で一度きりの “共同プロジェクト” になります。
2年間、この世界を追い続けて確信したことがあります。
中学受験は、家庭の「思考力」と「チーム力」を最大限に引き出す舞台である。
だからこそ、“わが家の戦い方” を見つけたいと願うすべてのご家庭に、この本が 小さな灯り になればと思っています。
これは、ただの受験本でも、ただの思考本でもありません。
家庭全体の “戦略力” を底上げするための一冊です。
中学受験という長い旅路が、不安だけでなく、「面白さ」や「納得感」 に満ちたものになりますように。
そして──
必要としている方に、静かに届きますように。

「頭」を使える良問
「中学受験問題」をビジネスの角度から見たら、凄まじい奥深さが見えてしまった!
それをそのまま、感動をそのまま詰め込んだ一冊です。中学校はもちろん、中学受験の先生の皆さんの「戦う」崇高なフィールドで、ビジネスの視点から「ビジネス・日常に使える思考」を抽出させてもらいました。

